家族をばらばらにした原発事故
(原発避難区域は姥捨て山になる?)
小高の人は息子夫婦と一緒に住んでいた、孫もいたから大家族である
家は立派だし庭も立派である、大工とか庭作りをしていたから当然だともなる
その求めることが高いレベルになる
でも聞いてみるとその男性は一人で直した家と大きな庭がある家に住んでいるという
息子夫婦と妻は仙台市に住んで帰ってこない
こういう人が浪江にもいた、何か原発事故は地域でも家族でも分断してばらばらにしたということがあった
だからこういう人はめずらしくない、浪江とか小高とか飯館村とかでもそうである
一時的には補償金が入ったとしてもかえってその補償金で家族でも地域でもばらばらになったということがあった
そして同じ地域に住んでその大工さんの補助役として働いている人はやはり大家族であるそれを対象的に見ると明確に原発事故が残した傷痕が明らかになる
大きな立派な家に広い庭に住んでもそこで一人で老人が住んでいる
別にその人は金には困らないとみる、ただ補償金を使ったから贅沢な生活とはならない
ただ人間の幸福の基本が家族にあるという時、その家族がいないということが不幸なのである
そういうふうに家族がばらばらになった例は原発避難区域では結構あった
その被害が二人を対照的にみて明確になる
それで大熊の人だったか原発事故で故郷に住めなくなったとき蝋燭を使っていいから
家族とともに暮らしたいと言っていた
そういう状況で極端なものとなったのである
そもそも家族とともにまた故郷に暮らせないとしたら幸福の基盤を失われたことになるからだ
ただそうはいってもあまりにも贅沢を限りない贅沢を求めていた
原発が危険だということを全く考慮しない、金になればいいしかないというのが現状だった、それだけ稼ぐ腕があったから欲望も大きくなっていたとなる
資本主義社会だととにかく欲望が無限に増大して拡大してゆくのである
その欲望の歯止めがなくなる、すると豊かになる金になるなら原発でも何でもいいとなってしまう、それはみんなそうなのである
それで津波で大熊町の町長の金庫が流されて見つけてくれとかなった
まさにここにこの辺の問題が象徴されていたのである
5億円が本当に入っていたのかもしれない、町長ともなればそれくらいの金が原発から入る、現実に牧場を経営している大熊町の人が5億円の補償金をもらったということを聞いたからでありそれは単なる噂とも違うだろう
何兆円もの金が除染とか補償金に使われたからである
ただそこで金は得たとしても失われたものも大きかった
それが原発避難区域に一人取り残された老人たちである
一番被害にあったのがそういう老人たちなのである
例え金があったとしても家族がいなくなって一人取り残されたからである
その人は腕のいい大工だから仕事しているからいい、でも仕事できなくなったらどうなるのか?
介護になったらどうするのか?
めれはここだけの問題ではないが避難区域に住んでいたらやがてそういう人ばかりになる若い世代がいないのだから介護ができなくなる
おかしなのはでは老親を避難区域に残して子供は仙台市とかで生活する
介護になったら地元の人が世話をするといってもそれすらできない
なぜなら介護する人がいない、老人は老人を介護できない、それで現実に南相馬市では介護士などがいないから青森の施設に送られているのである
ただそうなったら引き取る子供もいることは確かである
でもそうしたらいづれは後継ぐ人もいないのだから自治体は維持できなくなる
何か自分でも庭に夏蝋梅が伸びて木陰を作っていたので夏になるとそこで休んでいた
でも今回庭作りを頼んで失敗したと思ったのはその夏蝋梅の木を短く切ってしまったことである、それを残念に思ったのは伸びるまで時間がかかるからである
何年もかかる、すると老人の場合はその待つ時間がないともなる
その未来の残された時間がないのである
それでつくづく老人は復興に向いていないと思った
これだけの被害となると復興まで十年ではたりない、20年、30年ともかかるからである
第一廃炉にするにも40年かかるとなるからだ
だから早く成長するものならいいが木となると成長するのに時間がかかりすぎるのだ
だから何か木を植えたいのだがそれが成長するのを待てないのである
別に20歳くらいだったら30年先でも見て木を植えることができる、その成長した姿もある程度見れる、でも老人はできないのである
だからどうしても時間がかかるのは敬遠するのである
いづれにしろ津波とか原発事故の傷痕は消えない、町自体が崩壊したということはあまりにも大きな被害だったのである
だからもう親族でも息子でも娘でも流出したから帰ることはない
でも何か不利なことが有利なことに逆転するかもしれない
それはコロナウィルスなどで東京脱出が起きて空いた土地とか家を求めて住むように時代が変わるかもしれない、広大な未使用の土地があり家もあるからだ
仕事がないということも問題だが何かそれも解決する方法ができるかもしれない
だから結局未来はわからない、この十年の変化をみればわかる
ともかくこの問題は津波とか原発事故で起きた地域だけではない、限界集落とかすでに問題になっていたからである、そこにはやはり老人だけか取り残されるようになっていたからである
そして日本が貧困化しているというときもそうである
若い女性は風俗嬢、老人は姨捨て山…一億総貧困時代が来た
これもまた日本の現状なのである、だからここで起きたことはここだけの問題ではなかった、日本全体のも問題でもあった、それだけ限界状態が起きているのが日本なのである
津浪ー原発事故ー水害ーコロナウィルスとここ十年は災難の連続だったのである
コロナウィルスは世界的災厄でありつくづく人類の限界状態になった
それがコロナウィルスで現れたともなる
だからこれまでの生活を見直して新たな世界を作ることが強いられている
それは世界的になるからコロナウィルスの影響は大きいのである
津浪や原発事故は地域的だがコロナウィルスはグローバルに影響したからである