2014年10月23日

山帽子の実(不幸だった大正生まれの母の一生)


山帽子の実(不幸だった大正生まれの母の一生)


烏いて二両の電車や芒かな

鶏頭や夕べ人あり前畑に


山帽子赤き実なれり幸薄き母にしあれや我がいたわりぬ


人間の一生も家族でも多様であり他から知り得ないものがあるのだ。
まず自分の母親は不幸の連続だった。幼少期だけが金持ちであり幸福だった。
あとは事業の失敗とかで一家離散であり継母に育てられたから不幸だった。
その後も不幸がつづいたのである。大正生まれとなると何かそうした不幸な人が多い。
つまり時代が過酷でありみんな貧乏だったからそうなる。
だから母だけではない、その一生を聞いてみれば同じように苦労した人が多いのである。
何か今は自分が介護しているからそのことを喜んでいる。自分の家に来てもいたわられることもない人だったのである。女中のように使われていたともなる。
ただそこにはそれぞれの家族の複雑な事情があり他からは理解し得ないものが必ずある。ともかく最後になるとみんなその一生をふりかえる。

一般的に介護というとき他人だとなかなかその人がどういう人生を送ってきたかわからないから同情心がわかないのである。
ただ金をもらえるからしかたがないからやるとなる。
だから介護は本来は家族でやるものであり家族には何かしらやる動機があるからそうなる他人になるとそういうモチベーションがもちえないのである。
ただ一日中見守り介護となると苦しくなる。認知症の介護は一番苦しかった。
でも自分は特別世話なっているから耐えるほかなかったのである。
家族には何らか介護する動機があるが他の人には金しかないとなると何をするにもただそこに心がこもらないということになる。


誰かが言っていたが嫁が来た家で嫁がその家に満足しない家は栄えないというのは本当かもしれない。「ああ、この家に嫁いできて良かった」とならないとその家は栄えないというのは本当かもしれない。嫁は女と家だからその家の人となるのがまさに嫁だからそうなる。
ともかくそれぞれの一生がある。それぞれの家族には家族の物語があり個々人にもある。それはもう語り尽くせないほどある。
この家がどうしてこうなったのだろうかというのも本当に不思議である。
それはカルマも深く関係しているのである。
母と子が同じ運命をたどることは普通にあることなのだ。
親の因果か子に報いなど普通にあり珍しくないのである。
人間は結局は最後はストリー物語になってしまう。
そして人間の一生は本当に最後まで死ぬまでわからないものだと思った。
まさか認知症になって馬鹿になり死ぬとは思いもよらなかったからである。


最近75歳の病院経営者で敏腕の医者が30歳の嫁をもらったがこの嫁を殺して自殺した。
これほど優秀な人でも最後はわからない、どれほど優秀な人でも最後の結末はわからないということである。この人は体力も知力も人間力も備わった人だったのである。
なぜそうなったのかわからないにしろやはり優秀な人でも最後はどういう結末を迎えるかはわからない、結果的にはこれだけ優秀な人でももう誰も評価しないとなる。
人間にはこういうことが結構普通にある。その最後がどうなるか見てみればそうなる。


自分の生活は二両の電車が相馬市と原町を行き来しているように本当に狭い範囲で生活するようになった。まず遠くに出れないのである。
今日も母が昨夜も朝も水も飲まなかったからいよいよ老衰状態に入ったのかと見えた。
でもまた昼は食べたからそんなに急には死なないみたいなのである。
ただこの年になると急激に弱って死んでいる人もいるからわからない。
人間の寿命は神が定めているというときそれも本当なのかもしれない。
99歳になってもいつ死ぬかわからないのである。
ましてや60代ではいつ死ぬかわからないとなる。

前畑に人がいて畑の手入れをしているということは生活があることである。
田んぼにはなくなっているが畑をやる人は増えてきた。
前畑ということが何か家と一体となり生活があることになる。
今はみんな働くといっても通勤であり遠くになる。
田舎では確かに近くだがそれでも会社となる家から離れるのである。
だから農家では前畑とか前田と門田とかが重要になる。
働くにしても家の延長であり庭で働く感じだからその感覚はそこに住んでみないとわかりにくいとなる。

家のもっている(家霊)の力
(NHK-家で死ぬということ-を見て)
http://musubu.sblo.jp/article/54156891.html


タグ:山帽子
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