原発避難民で故郷に執着する人は少ない、帰るのは老人だけ
(話の面白い小高の人(続))
精神的損害だけではない、ミネラルウオターまで補償金を出している、交通費もこまかく出している、いたりつくせりである。
五年から六年間補償すると土地や家もその間補償するからその額が大きくなる
浪江だとさらに倍とかになるかもしれない、期間も長いし土地を売るとなるとその額が大きい。
だから一億円をもらっている人はざらにいるというのもわかる。
話の面白い人とまた土手の道であった。それでまた小高の人がどんなことを思っているわかった。
最初は小高の人は原町の人は家があるのに補償金をもらったとしてうらやんでいたというそれは最初の内は補償金のことがわからなかったからである。
それで小高の知っている人が十万で知り合いの人を雇ってもらえないかと来たのである。原町の人は人で鹿島区に仮払金を一〇〇億とか市の財政から一時的にでも払うことを反対した人がいた。その時は補償金のことがわからなかったからである。
その後段々補償金のことがわかりそんなことはなくなった。
でもこの辺でもめているのは補償金のことだった。浪江の人と病院であったけど東電はずるいとか土地の補償金でもめていた。
それより今は小高の人でも今度は補償金が打ち切られるから浪江の人がかなりいるから浪江の人がうらやましいとかなっているという。
三〇キロ圏外と圏内では補償金の差は大きかった。それでも三〇キロ圏外のヒトデも四〇万くらいでももめていたのを知ったからつくづく人間は金でもめる。
遺産相続ともにている。人間の欲はきりがないのである。
ともかく三〇キロ圏内でも小高の人の補償は本当に手厚いのである。
今日の話でも仏壇にも墓にも補償金がでていた。仏壇には四〇万とかでたという、
それから狭い私道がありそこにも書類があり補償金がでた。
まず家と土地がある人は六年間とか補償金がでる、土地を広くもっている人は相当な額になる。例えば牛をもっている人でも補償金がでるし土地にもでるから額が大きくなる。
それで一億円もらった人はざらにいるというのも驚きである。
そのことは言わないというがそうかもしれない、どのくらいもらったか正確にはわからない、原町の人も言わないからわほからない。
ただ鹿島区の人は明確にわかっている。一人十万で七カ月分である。原町はこの三倍はもらっている。浪江とかはさらにもらっているし双葉、大熊となるはさらにもらっている。
そして今になると原発事故があっても補償金をもらった人は東電にそんなに恨んでいない、かえって喜んでいる人も多い、まず老人は喜んでいる、年金などたいしてもらえない人が多いからである。何も仕事しない人でももらえた。だからそういう人は原発事故があって得して良かったとなる。
その補償金で近くの競輪券の売り場で遊んでいるという、あとはパチンコ屋で遊んでいるだけだとなる。
年取った女の人は集まって何か話して遊んでいてかえって良かったとか何より金が入るので喜んでいるという。あと五年長引きけばなと言っている。
そして浪江の人をうらやんでいるのだから変なものである。
浪江の人は浪江の人で東電はずるいとか金をさらに要求している。
そして大臣が金目のものでしょうというのは本音だったのである。
原発避難民は故郷に住めなくなってさぞかし悲しいだろうと外からみている人もいた。
最初の内はそうだったろう。でも補償金がこれほど手厚いとなるとかえって得したというのが本音にもなる
なにかやといっても今は金の力が大きいということを感じる
金がないと子供すらよりつかないし友達つきあいもできないから貧乏老人は悲惨だとなるだからなにか自分は郷土をテーマにしてものを書いてきたがその郷土に執着する人はすくないのである。
今は田舎でもみんな会社員であり事故の後も移った会社に浪江の人が二本松に会社を移したので通っていた人がいた。そういう人はすでに二本松に住んでいる。それも補償金で家を建てたかもしれない。
不思議なのはこの辺で多くの新築の家が建ったけど小高の人だったけどその家に住んでいないという。住むために買ったのかと思ったらそれも一時的であり他に移り住む人がいるというのも不思議だった。
家は高いものだからそんな簡単に買えないものと思ったからである。
てもそれだけの補償金をもらった人は買ったのかもしれない、小高の人などは補償金バブルになったのかもしれない。
要するに補償金をもらって得したという人が多いというとき故郷に帰るとか帰らないとかあるけど故郷自体に執着している人は少ない、沖縄辺りまで移りそこに職をもって定住した人もいるという。
故郷に執着して住むという人は少ない、なにか自分が故郷にこだわるが他の人はこだわっていない、それが田舎に住んでいる人自体がその土地に執着していない人が増えた。
それより現実をみれば金だとなる。前からも書いたけど金の力が大きくなりすぎたのである。金があされば原発事故周辺でも食料に困ることなどないのである。
だからこんな状態になっても金がもらえたので良かったともなる
復興のことを考えているのはかえって外からの人たちであり小高なら小高でも補償金もらってほくほくだと言っているし小高自体の復興のことなど真剣に考えている人はいない、原町まで行けば何でも買えるし車で売り来る人がいるから買い物に困らないという。
飯館村も貧乏な人がいて借金していた人がいたけど補償金で払ったとかみんな遊んでいるだけだという。
時々何か飯館村でしていた牛の牧場を経営している人をテレビで写しているがそれはほんの一部であり他の多数は何もしない、ただ遊んでいる、ギャンブラーになったとかが多いのである。
実際もう故郷にこだわり住むという人は少ない、他に移り住むことを決意した人たちの方がもう三分の二とかなり還ってこないのである。
今は金の方が吸引力があり故郷自体にはないという時代である。
いろいろ書いてきたけどそれが現実だとなる。
小高といっても原町とか鹿島でも相馬でも移った人はそんなに故郷にこだわらない、そもそも同じ場所に住んでいると変わりないからである。
東京辺りの東電のビルに移ったような人たちは故郷をなつかしむかもしれないが
この辺ではほとんど同じ場所に住んでいるのと変わりないのである。
だから補償金をもらって得したと感じている人が多いということである。
啄木のように故郷を思う人は少ないとなる。
啄木は病気になって死んで故郷に帰れないということで望郷の歌を残した。
でもこの辺では故郷から離れてもすぐに死ぬわけではないし金をもらって余裕をもって生活できるならどこでもいいとかなる。
沖縄に住んだらそこも温暖でいいとかなる。そこに望郷はない。
それでこれだけのことが起きても外部からいろいろ同情されるのと内部の人の感覚は違っている、むしろ原発事故で補償金をもらって良かった人が多いとなる
津波では補償金は出ないが原発事故では補償金の額が大きかったから違っていた。
老人にしてもその人も自分もそうだがどうなるにしろ人生も終わりだというこでは同感である。それなら金をもらった方が得だったとなる
「どうせ終わりだ」というあきらめが老人にはある。だから深刻に考えないのである。
若い人と老人の感覚の差がこのことが一番にでる。
若い人はこれから何かを得ようとするが老人はもう何かを得ようとするより人生は終わったという感覚になる、若い人は何かを得ようともだえ苦しむが老人にはない、あとは死ぬだけだからどうでもいいとかなってしまう。
でも本当にどうせ終わりなの?となると疑問である。
なぜなら何かを必ず後世に伝えるものがあっていいからである。それが何であったのか?
それが老人にはと問われているのである。人間は歴史的に生きるとは一代で人生が終わらない、必ず次の代に受け継がれるものがあるから歴史的存在なのである。
津波原発事故のことも後世に負の遺産として引き継がれる、それも歴史である。
ともかく故郷をどうしようかとか復興についてもあまり考えない
若い人は若い人で見切りをつけたからこれまた故郷に執着などしないのである。
ただ三〇キロ圏外では補償金で大きな不満が残った。かえって損したとなる。
その補償金の差が三〇キロとか二〇キロ圏内とかで差があまりにも大きすぎたのである。引っ越すにも四〇万とかなにから何まで二〇キロ圏内とかなると補償されたからである。南相馬市だったらその補償がもっと公平にあるべきだった。
政府や東電が決めたにしても何か行政で公平な配分を考えるべきだった。
福祉関係、介護まで鹿島区は差別されたのである。
そういうことが今後も尾をひく、小高の人たちは補償金を多くもらったのだから別に協力しなくてもいいとかなるのである。
だから金は誰のものととなるかというと政府や東電だけで決められるものでもなかった。それはただ便宜上、三〇キロで区切り決めただけである。
金は共同体のものである。共同体というときいろいろあっても南相馬市のものとしての共同体にまず支払われるべきものだった。
もちろん小高はそれなりのものが支払われるべきである。しかし福祉関係まで差別しているのは差別であり不公平であり南相馬市の共同体員としては許されるものでないから不満が大きいから金の問題はしこりが残ったのである。
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