2015年12月21日

百歳に死ぬ母を偲べる短歌十首 (女性は家に生きて家に死ぬ)


百歳に死ぬ母を偲べる短歌十首

(女性は家に生きて家に死ぬ)



七〇年やともにありしもあわれかな目立たぬ母の死にけるかな

我が家に嫁ぎてあわれ七〇年悲しむことの多かりしかな

姉死して母も死にき我が一人家を守るや年のくれかな

それぞれの家にしありて人は生く悲しみ喜び女人のあわれ

我が家に争いありぬそのことの死せばはかなし昔となりぬ

玄関に散りし紅葉や冬となる訪ねし女の昔語りぬ

何故か苦労負わさる母なりき我が家にしもあわれ深まる

霜焼けに苦しむ母のあわれかな温水器なし冬のことなり

我が家に七〇年をありしかあらば思い出は深く家にあるべし

我が家は姉と母との二人して作りしものなり感謝すべしも


母の一生は苦労の一生だった。そして体力的にも性格的にも目だたない存在だった。脇役だった。先の夫は東京で工場の事故で死んだ。
それから実家に帰り我が家に嫁いだ、ただ我が家にきても下働きのようにされた。
だからあまりいいことはなかった。ただ母は細身であり何か自分で世間をわたれるような人ではなかった。そういう女性もまた多い。
女性にもいろいろあり自分はわからない、姉は太っていて過酷な世間でも渡れる女性だった。それでシンガポールに四年間従軍看護婦しても生き延びたのである。
何か人と話すときも恐れない、だから大の男が恐れていたのである。
だから母も姉がいたから一面楽したともなるしじ自分は二人がいた結果本当に楽をしたのである。だから三〇年間世間と没交渉でいられたのも不思議だった。
世間の荒波にもまれることはなかったのである。
ただ二〇代は自分は相当に苦しんでいた。他からたいしことがなくてもやはり自分も体力もないからそうなった。それで二〇代で六〇代のようになったのはそのためだったのである。それから楽をした結果体力がなくてもこれまで生きてきたのだと思う。


我が家では母には優しい家ではなかった。それは父の時からそうである。父も再婚であり母よ良くしたとは言えない、だから自分は母には悪いなといつも思っていたのである。
そう思ってもどうにもならないのが自分の家だった。
それぞれの家に必ず何かしらの事情がありみんな違っているからわかりにくいのである。人間の一生にしてもそれぞれであり不運な人もあり楽な一生もある
でも楽なことがいいかというと何かそこが人間の不思議であり楽な人生を送った人はあまりあわれまれない、何か死んだときでも印象を残さないというのも不思議である。
あの人は苦労したなとなるとき人々はその人を思うということかある
それは両親でもそうだろう、苦労して育ててくれたなと思う子供は両親を裕福な両親より思っているのである。
何も苦労しないで育だったとしたらあまり親のことも思わない不思議がある


ただ人間と生きる限りなんらか苦労しない人はいないだろう。
まず苦労しないとすればそのこと自体が人生で欠けてものとなってしまうだろう
自分もここ十年介護で苦労した。そして介護して親の苦労に報いた、親孝行できたということで満足しているのである。
これだけ楽させてくれたのだから当然だとも自分では思っていたのである。
だから介護はこうして常にその親子でも家族でもそれぞれの事情が違ってくる
手厚い介護がされるとすればやはりその親子関係か良かったとなるのだ。
親戚の人は親に対して全くそういう感情がなかったからもう介護もなにもできない
ただ金目当てだけになっていた。その親に金があるから余計にそうなっていた。
金があるからいって老後でも介護されるとは限らないのである。
金がなくても介護できないがまた金だけでも介護することはむずかしいことがある


ともかく女性は今は多少違っても嫁は家に女であり家に生きて家に死ぬというのが定めである、男は家ではなく社会での仕事をして死ぬということがある
女性と家は切り離せないのである。だから家で死ぬのが一番いいとなる
一応家で介護したから自分の場合は良かったとなる。
でも在宅の介護は人手も金もかかるから容易ではない、それで事件が起きる
それでも人間は死んだときみんなふりかえりもっと良くしてやれば良かったと言っているそれも矛盾なんだけどそうなりやすい、実際生きているときはなかなか人間は偲べない
第一嫌なことが必ずありその人時代でも実際はどんな人でも親でも嫌悪を覚えることがある、ただ死んだときそういうことかなくなるから純粋に偲べる
つまり人間が死んだとき美化されやすいのは直接せっしていれば嫌なことが目立つがそういうこともないので美化されやすいことはある。
歴史でも何か過去の人物が美化されやすいのはそのためである。
現実に生きているときはそうはならないからである。








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