寒雲(相馬市へ行く)
寒雲に北風鳴りて五本松
山脈に寒雲の影橋わたる
寒雲に二両の電車や昼の月
宇多川の橋をわたるや冬芒
城下町軒を並べて寒さかな
城下町相馬六万石冬の暮
大手門狭しやあわれ冬の暮
相馬市の女性の医院に飾りたる花の絵にそほのぼのとしぬ
浜街道の五本松の端の一本は枯れてきていた、すると五本松ではなくなる
何か松は枯れやすいのである
相馬市については前にもいろいろ書いたけどなぜ情緒があるかというとそれは意外なものである。
あそこには高いビルとかない、低い家並であり城跡もあるがそれもここが城なのかということも明確でもない、大手門にしても狭いし小さいからここが大手門なのかと思ってしまう。
それだけ小規模の城だった、でも野馬追いがあるから大きな城があるように外からだと見える不思議がある。あれだけの行列があると何か大きな城があるように錯覚するのである実際は相馬藩は六万石の小藩にすぎないのである。
ただ入り組んだ城下町特有の町割りになっている。それも気づきにくいだろう。
だからよそから来ても見るところがないとなってしまう。
宇多川も細い川でありこれも何かぱっとしない川である。
でも橋が何か情緒がある、その橋が短くて小さいから人間的に見えるからである。
それは昔ながらの木の橋のようであり情緒があるとなる
今はみんな大きな橋になっているから人間的でなくなる
要するに現代は何か人間的なスケールを越えているから情緒がなくなる
相馬市は原町とずいぶん感覚的に違うのである。原町市にはこういう情緒はないのである情緒とかは歴史的なものとか自然とかとの融合などから生れる
意外となんでもない平凡な所に情緒がある
パソコンのソフトで写真を絵にしたら何かその雰囲気が出ていた。
写真だけではなかなか情緒を出せないこともある
雲というのは春の雲なのか秋の雲なのか冬の雲なのか区別がつかないのである。
漢字だったら冬の雲と寒雲では違う、寒雲の方がいかにも寒い雲の感じになる
歯医者にも行った、あそこの歯医者は女性でありめずらしい、前に行っていたからまた行った、その医院に花の絵が飾っていたのは女性らしいとなる。
なぜ相馬市と原町ではこんなに感覚的に違うのが不思議である。
よそから来た人にはこの区別はなかなかつかないだろう。
街には街の作り出す雰囲気がなにかある、それが外から一回くらいきてもわかりにくいのである。
。
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