





そちこちに鳥の羽ばたき朝桜
余が森(夜ノ森)と相馬藩主や春の暮
桜見ず昨日死ぬ人におくやみを
老杉の残滓を留め落椿
真新し今朝三輪の落椿
背の青きイソヒヨドリや春の海
沖に船見慣れぬ鳥や春の海
春の海はじめて来る請戸港
I am at UKEDU port for the first time
and look forth the spring sea
春の日や鵜の飛びわたり請戸港
春潮や鴎百羽の群れ騒ぐ
春草や街道来たりて高瀬川
山桜ひそか散りにきこの道を行く人まれに地蔵祈りぬ
夜ノ森の桜並木はそれほどでなかった。木が小さいからあまり見映えしない。でもそれなりに桜並木がつづいているから一度くらいは見てもいい、写真で見た方が美しく見えることがある。実際に見たらきか小さいからそれほどの桜ではなかった。写真はやはり錯覚を作り出しているのだ。桜を見ず死んでしまった人がいたのには驚いた。その人とは顔合わせたことが何度もあったからだ。それが突然消えてしまうことが死の驚きである。そして自分もいつか消えてしまっているのだ。ただ自分は死なないと思っているのが人間なのである。

焼けた老杉があった。なんとか消火しようと努力した旨が書かれてあった。この焼け跡がまだ生々しいからこれは一つの最後の老杉のドラマだった。そしてこの焼けた老杉が認知症の人に見えたのである。まだこれだけ虚ろになってもその跡を生々しく残しているからだ。認知症も過去だけは鮮明に覚えていて最後までなおこんな焼けた老杉でも樹齢二百年くらいの老杉の貫祿は残しているのだ。
背が青いのは間違いなくイソヒヨドリだった。これは望遠鏡で見たから間違いないしインタ−ネットにもでていた。それから黒い帽子をかぶったような鳥もみかけたがこれはわからない、ここは熊川を下ったところだった。
大熊町から双葉に向かった。新山とかを通り浪江に旧街道を行った。高瀬川に出て浪江から請戸港に行った。請戸港に行ったのははじめてだった。近くでも行かないところはあった。たいがい今までは遠く行っていたから身近なところを行っていなかったのだ。
今日は快晴で海も回ったし気持ちのいい日だった。やはり春が日本では一番気持ちいいときである。BD1は軽快に走った。
【日々の感想(今日の俳句短歌と詩)の最新記事】
- 冬菜(冬の田舎の風景)
- 南相馬市右田浜から今日の朝に見えた雪の蔵..
- 冬の日の石(詩)−田舎に住む存在感
- 冬の灯(独り身は独り身を想う冬)
- 冬野に風の余韻が・・・ (冬に入る..
- 原町片倉のフラワーランドから金華山と牡鹿..
- 冬に入る(里に老ゆ―故郷の里とは何かその..
- 紫式部(平安時代の短歌)
- 相馬市へ秋から冬の俳句短歌 (相馬..
- 白鳥来て冬に入る(台風で風車がとまった風..
- 馬を飼う、鮭上る、千鳥(水無川の朝)
- 相馬市の音楽祭は災害で中止 (とち..
- 天皇即位の礼の俳句と短歌(天皇は日本の文..
- 故郷の実りの秋
- 実り(旧街道は歩くか自転車がいい)
- 桜井古墳(秋)―街道の松 秋の蝉(俳句十..
- 浜通りの秋(詩) (阿武隈高地は古..
- 秋風、実り、秋の蝉(相馬の城まで俳句十句..
- 里に隠る月(秋風吹き貧困化する日本)
- 故郷の秋に思う短歌十首 (ふるさと..