原町の青鷺
青鷺の梢に高く一羽休めり
海も見え四方を見晴らす
眩く夏の光に映える優美な姿
新田川の辺り桜井古墳あり
ここに土地の長の住めるや
その岸辺の緑陰を我が歩みつ
この地もまた佳きかな
山一つ越えてかなたは古代真野郷
古(いにしえ)も深くつながる地
青鷺の梢に高く一羽休めり
青鷺のまた優雅に飛び立ちゆかむ
川のひびきや餌も豊かなれかし
南相馬市原町区の発展径路はまず江戸時代は陸前浜街道としてあり原町宿があった。陸前浜街道沿いが最初に街並みを形成した。次に汽車が通り原町は機関区にもなったから近代化したときここを基点に発展した。駅前通りが次に新しい街となった。次に車社会となり六号線沿いが発展した。今一番活気があるのは駅から東であり六号線沿いでありそこに新しい道の駅ができた。町は古町になるのが多いのだ。古町が街の中にあるのも町(街)は変遷しやすいためである。不思議なのは原町の最初に開けた地帯は新田川辺りの桜井古墳のある場所だった。今でもここが原町では一番気持ちのいい場所である。ここは六号線沿いの街と古代の好適地があったことで古代が一番最新の街が一体になった。駅前通りはさびれてどこでも古町になった。私自身も駅には行っても駅前の通りで買い物することはない、買い物は六号線沿いが便利なのだ。病院に行くようになってから食事したりオムツの紙や薬を買ったりとこの辺でかなり買い物したからだ。南相馬市立病院があることで人が出入りするから辺りもにぎわうことになる。原町の中心が桜井古墳にあったとき古代にも戻った感じになった。
古墳というと高台にあるものが多い。それは日本は低地は湿地帯であり住みにくかった。高台や台地が住みやすい場所だった。真野古墳でも亘理の雷神塚古墳も丘の高台にある。低地に古墳ができるのは時代が遅いのが普通である。鹿島の横手の円墳群は寺内などの高台にある前方後円墳よりはあとにできたものである。湿地が開拓されてできた。原町の桜井古墳は川の辺りであり低地にある。これは川と海に面して作られたのかもしれない、古代は海が相当陸地に入り込んでいたから海に面していた。竹水門(たけみなと)から倭健が上陸したという伝説がありここが港の船着場のような役目を果たしていたのか、立地的には高台にあるにしても海に面していたのである。海に面した古墳では明石の五色恁テ墳などが有名である。これは航海の目印しになったとか瀬戸内海の交通と関係していた。これだけ海に接近した古墳はめずらしい。海を意識して作られた古墳なことはまちがいない、瀬戸内海なら古代でも船の交通があるから別に特別なことでとないが東北だとやはり海は荒いし船で行くことはむずかしい、ただ桜井古墳の立地は川と海を意識して作られたことは推測できる。もっと内陸部に作られてもいいのに海と川に面して作られたから何かそこに謎を解く鍵があるのかもしれない、海というと六号線から常磐線でも海が見え所は少ないが南相馬市立病院の最上階の食堂から見える。海を見たかったらここの病院から見るといいのだ。それで前にここが隠れた観光スポットだと書いたのである。
いづれにしろ街は変遷しやすい、次はイオンのショッピングセンタ−ができることで問題になっている。これはイオンという一つの会社が街を作ってしまうことであり他の会社は補足的になる。イオンという大資本によって作られる街なのだ。だから利益は中央に吸い取られるだけだという意見がある。私としては自転車だと六号線からまた遠くなるから不便なのである。車だと不便は感じないかもしれないが意外と自転車はニ三キロでも遠くなる。往復になると遠く感じるのである。だから街は六号線沿いにあった方がいいのだ。
青鷺というと大きいから飛ぶ範囲がも大きい、それを新田川沿いで見た。青鷺は原町という広い地にあっていた。花でも鳥でもその場にふさわしく感じるものがある。白鷺は鹿島区のような比較的狭い場所にあっていたが青鷺となると原町があっていた。相馬はまた松川浦があるから別な鳥があっているのかもしれない、ともかく青鷺は原町にふさわしい鳥だと思った。
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