みちのく真野、桜田山に桜散る十首
桜田山万葉園
みちのくの真野のあわれも桜田山海を望みて花は散りにき
海望む桜田山に我が上り東風の吹きくる沖ゆく船見ゆ
年古りて桜田山や残る花散るもあわれも今日も風吹く
海望み沖行く船を我が見れば旅心わく春の朝かな
桜田山花の装い燕来る風のあらしもはや散りにけり
海望み桜田山や風あらく花の散りにきあわただしかも
万葉園久々にきて年深み松にしよりぬ春のくれかな
我が生や介護に十年その重み姉母死にてめぐる春かな
我が町を桜田山に望むかな姉母なしも花は散りにき
故郷は思い出深き姉と母眠れる所春のめぐりぬ
年古りて今いくたびの春なれや桜田山に望む海かな
海望み津波の跡の生々し帰り来ぬ人春はめぐれど
故郷に我も老いにき桜田山花は散りにきあわれ深まる
故郷に若き人しも育ちなむ我が老いつつも見まもりけるかな
桜田山に上ったのは数年ぶりというか上っていなかった。それはなぜなのか?
毎日十年は買い物であり介護に追われていた。
この介護の十年は自分の人生の大きな一部となってしまった。
何かに常に追われつづけてきたのである。
桜田山に上らなかったのは失敗だった、ここから海を望んだときそれが新鮮だった
もしかしたら三年くらい上っていなかったかもしれない
とにかくこの辺は津波が来て原発事故になっていらい落ち着かないのである。
それはここ十年は介護であり自分の病気やらで本当にめまぐるしく追われたのである。
30年くらいは平和であり自分は楽だった、その間旅に明け暮れた。
それで桜で思い出したのは
みちのくに桜咲く時西に行き京大阪は散りし後かな
つまり桜前線が西から東へと移ってゆくことで情緒が生れる、みちのくの桜はまだ咲かないというとき桜の咲くのを待っているというとき西は桜が咲き誇り栄華があったのである一方でみちのくの桜も散るしそのあとはさらに北へ向かえば弘前の桜が咲くとなる
稚内六月にしも桜咲き雨のふりにつ寒しを思ふ
稚内まで自転車で行ったとき六月まで桜が咲いていた、その時は寒かったのである。
ともかく人生60年とか団塊の世代も老人となり過去をふりかえるようになる
実際に同級生で死んだ人もいるし脳梗塞とかで手術してやせほそった同級生もいた。
団塊の世代もそういう人生の最終章に向かいつつあるのだ。
何かこの十年は介護であり津波原発事故でありめまぐるしく変わりあわただしいのである介護が終わったということでその時間の重みを知った。
介護がそれだけ長いということは人生の一部として課せられるようになったのである。
万葉園にも久々に行った、何か荒れていた。立て札に記された歌があった。
一つ松幾代か経ぬる吹く風の声の清きは年深みかも(万葉集、市原王)
南相馬市の鹿島区の真野は万葉集の歌にある。
陸奥の真野の草原遠けども面影にして見ゆといふものを (笠女郎)
これは必ず真野の草原となっているから草原(かやはら)だと思っている
でもこれは地名だったのである。だから草原(かやはら)をイメージすると変なものになるのだ、草原を萱の原とするとき全く違ったものになる
草原は地名だった、伽耶の原だったのである。津神社がつの神社でありそれがツノガノアラシトと関係していたように誤解される、津神社で津波と関係していたものはないのである。ツノとなっていればたいがいツノガノアラシト系統なのである。
韓国からの渡来人に由来した地名である。製鉄の技術集団が移動してきたためにつけられた地名であ。ただこれは本当にまぎらわしいのである。
いづれにしろ姉と母が死んだことは自分にとって大きな変化だった。この辺はみんなすさまじい変化に見舞われた。津波でもそうだしそのショックはまだ消えていない
ここ十年で経験した自分のことも生々しいのである
この十年は大きな重圧のもとで生きてきたのである。
だから何か常に生活でも心も負われて生活してきたのである。
そのうち十年がたち相当に老いて市ったとなる、この辺で大病したりすると同教生のようにさらにふけてしまうのである。
自分は体力的には立ち直っているからまだ死ぬのは早いかもしれない、でも何か人生の最終章に向かっていることはまぎれもない実感なのである。
今だから書くことが前に書いたことでもふりかえり書くことが増えた
いくら書いても書き切れないという状態になっている
介護から解放されたからパソコンでも記録したものをふりかえりまとめることが仕事になる、これも相当な手間なのである。
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