2018年06月01日

いわきまで御斎所街道を下る旅(旅の思い出の短歌)


いわきまで御斎所街道を下る旅(旅の思い出の短歌)


御斎所街道を行く(福島民友)


そはいづこ山中にあり万屋に味噌汁ご飯馳走になりぬ

古殿に市神の碑あり秋の朝我も来たりて街道下る

雷鳴りて雨の打ちふり旅人のしばし休みてまた走りさる

水澄みぬここに死なむや落鮎の今ひとしきり泳ぎけるかも

市街へと我はいぞぎぬ刈田なる遠野を行きて心に残りぬ

旅人のはるか来たりぬ秋の朝海を望みて鴎飛びさる

目覚むればいわきの海や撫子の咲きてひびける波の音かも


元応(げんおう)は、日本の元号の一つ。文保の後、元亨の前。1319年から1320年までの期間を指す。この時代の天皇は後醍醐天皇。鎌倉幕府将軍は守邦親王、執権は北条高時。

古殿の市神の碑がこんなに古いのには驚く,この辺ではこれだけ古いのはめずらしい
古殿の前に鮫川とありその山中に万屋(よろずや)がありそこで味噌汁とご飯をご馳走になった、石川とかいうと何か阿武隈高原を行ってもなじみがない,竹貫とかもあったがなじみがない,そんなところに万屋があった
そんなことがなぜできたのか?今ではありえないことだとふりかえる
そこにはコンビニなどないから万屋(よろずや)があった

万屋とは何でも屋であり田舎でも辺鄙な所にあった店である。
それはどこにでもあった,しかし今はなくなった
そういうところにはまだ人情が残っていたとなる
今は外部の人はみんな警戒しているからそんなことしないだろう
ただ旅をするとき昔だったら歩いてしているからどうしても食料がないと困ることがあるするとおにぎりとかもらった人がいるかもしれない
そうしないと旅自体できないからだ,なぜなら乞食がいたし物乞いして歩いているのを子度のとき普通に見ているからである。
そして意外とそうした乞食に物をあげる習慣があった
みんなではないにしろ物をあげていたのである
ただ頻繁に乞食がきて嫌われたという記憶もある,それだけ乞食が多かったのである。

小高い新地山が見えた。歌枕の「人忘れずの山」として知られ、定信も歌を詠んだ。

 世々へても 心の奥に通(かよ)ふらし 人忘れずの山の嵐は

これは西白河の方である

定信に愛された新地山

この歌はいい歌である。人忘れずの山というのはやはり人が忘れてしまうような山だからこそこの名がついた,そういう奥にも人の心は通うとうなるのか?
人も忘れてくれるなという意味ともなるのか?
そこは秘境のような所だとなる,江戸時代ならどこでも秘境になりうるのである。

街道を下りた所に川が流れていてそこに落ち鮎をとる梁があり落ち鮎を料理する小屋ができていた
その川の水は澄んでいて鮎が死んでいた,最後にそこで泳ぎ死んでゆく

ただそこから遠野に出るが遠野は稲も刈られて淋しい所だった,いわき市街から見て遠野だったのだろうか?遠野というのはいくらでもある地名だからそうともならないだろう
第一地名はそんな広範囲な感覚ではつけられていないだろう。
原町の大原に遠田とあるが大原からはさほど遠くないからである。
でもそこで遠野は何かいわき市街から遠いという感覚になっていた

そして海に出た時,秋の海でさわやかであり気持ちよかった,そこでテントを張り一日泊まった
目覚めると撫子が咲いていた,その撫子がなにかいわきとあっていた
それは山から街道を下りてきて海を見たから感覚的に違ったものとなる
もし海沿いを旅したなら感覚的にこうはならない
山から海に出たということで新鮮な感覚が生まれたのである。
だから旅はその過程で違ったものとなる,海から山へ入るとなるときもそうである。

ここも塩を運び山から薪を運びとか飯館への塩の道とにている,塩の道は全国にあった
そこで山と海との交流が生まれた

塩を運ぶ人を待ちけり山の人その塩貴重に市に求めぬ

要するに物の貴重さはそうして苦労して運ばれたとかにあった,今は物の貴重さがないのは簡単に手に入るからである。いくらでも塩でも砂糖でもあるとなると貴重なものとはならない,だから塩でもなんでもありがたさがなくなったのである。

ともかく何度も言うように旅は意外と記憶されることが大事である。
なぜなら旅は忘れやすいのである。まず車だったら記憶されない
自転車で街道をひたすら下り遠野通りいわきの海に出たということで記憶に残っていた
本当に現代の旅は記憶に残らないことが多いのである
記憶に残る旅がしにくいのである,それはあまりにも便利になってただ通りすぎて遠くに行くというだけになっているからだ
その途中が省かれるのである。記憶から消えるのである。
旅でも人生でも記憶されないことは何も残らないということになる
そしたら旅という経験は無駄ともなりかねないのである。 



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