震災より7年過ぎた小高の不思議(短歌十首)
(故郷は古里で古きを守る場なのか?)
帰る人あり→帰る人ふゆ
街道の道幅狭く黒々と杉木立見え曲がりゆくかな
街道をまた旅人の行くなれや夏の日さえぎる森の暗しも
大きなる岩やこの家に人のなくいつ帰りなむ声もなきしも
街道に蝉の声ひびき行く人のありて活きなむ道にしあるかな
街道をまた旅せむや夏の日に浜風涼し進み行くかな
街中に根付き古りにき蝉の声ひびき小高に帰る人ふゆ
街中に根付き古りにし木のあれや蝉の声聞き人も聞くかな
帰り来て小高の人の安らぐや我が土地家と芙蓉の咲きぬ
夏草に田畑の埋もれ烏二羽黒々として離れざるかな
道の辻馬頭観世音の碑の残り夏の日さしてめぐり帰りぬ
農家一軒帰りてこの道行く人のまれにしあわれ芙蓉咲くかな
なんか小高に三年ぶりに浜街道を行き不思議だった、なぜそう思ったのか?
それはまずまだ小高には車でも行く人が増えたにしろ少ない、すると浜街道でも江戸時代にもどったような気分になるのだ
車がもし走らないと前も感じたが江戸時代に戻るのである
それであれこんなにこの道は細かったのか、黒い杉木立が道を隠していたのかと改めて見た、前はこんなふうに見ていない、浜街道沿いに人が住んでいないことも影響していた
双葉とか大熊辺りはもともと夜の森(よのもり)とあるが相馬藩主が余の森とした
自分の森だとした、そこは森が鬱蒼と覆っていたのである。
大野とか広野とかも野が広がっていたのである。
何か原発事故以後人が住まなくなった結果、元の原始状態にもどったようになった
それは津波の後でもそれを感じた、一時海岸地帯は湿地帯になり沼がいくつもできたからだ、八沢浦は本当に海になった時ほど驚いたことはない
小高は確かに住む人が増えたけどやはり街中は森閑としている
それで古い木が街中に根付いている、それから寺に古い五輪塔があったりる
すると故郷とは何なのか?古里でもあり実は古いものがあり古いものが継続して守る場所なのかとなる、故郷はまた故ある場所である
古いものがあるというとき墓地でも墓でもそうである
故郷とは新しい場所ではない、前々から人が代々住んだ古い場所なのである
だから街中に古い木があるなとつくづく見た、そしてそこに蝉の声がひびいていたのである,故郷とは古いものが意識される場所なのか?人が帰ったときまずその古いものを見るもちろん次々に新しいものも生まれるが古いものがある所が故郷なのかとなる
まずこうした感じは本当は小高の人とか浪江の人とかまた仮設などに移り住んだ人が一番実感していることである、その経験は普通は経験しがたいことだったからである
だから仮設に5年とか今や7年も住んだらどんな気持ちになるのだろうとなる
それはそうした経験をしないものしかわからないのである
故郷の家に土地に帰って安心しているのか不便と感じているのかわからない
いづれにしろ浜街道をまた旅したくなった、あんなところだったのかというのも忘れていた、人間は忘れやすいのである、まず車の通らない道というのは本当に不思議である
それは江戸時代にもどることなのである。
だから車の影響がどれだけ大きいかそれでわかる、なぜならいろいろあるが車がなかったら江戸時代にもどった気分になることでもわかる
その時自然は元の原始状態のように見えるのである
浜街道でも旅人となると普通ではないがやはり旅人でも通るとき活きてくる
道すら原発事故以後この辺は死んでいたのである
ただそのことで原始の状態に戻ったということはある、それが何とも不思議なのである
烏二羽が茫々とした夏草の原の牧の柵のような所にとまっていた
それもこの烏はもともと故郷を離れずいた、その黒々とした烏が故郷の住人のようにすら思えた、黒いということが何かあっていたのである。黒装束の通夜に出るような人に見えた、何か烏でも避難区域では違って見えたのである
道の辻の馬頭観世音でもそうである、この碑でも人が通らないと死んだものになる
人が住まなければ古いものも本当に死んだものとなる、人が通うことで活きているのである、そもそもがそういう道は常に人が通っていたからだ
それが人が通わないとどうなるのか、道すら死んでゆくとなる
鳩原では二三軒人が住んでいた、だから違っていたが夏草に埋もれていたのである。
次は今度は浜街道を浪江の方まで行ってみよう、浪江は小高より人が住んでいない
だから小高より廃墟のような感じる、小高は住む人が増えたから浪江とは違っていた
でも何か依然として普通の街ではない不思議を感じたのである。
小高には前より人が帰っていた
(馬頭観世音の碑)
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