家業が喪失して実家に頼れない
(一人暮らしや孤独死の増えた原因)
もちろん戦前にも独身者は存在していました。結婚しなかった人、離別した人。例えば江戸時代の東北地方の離婚率はほぼ1/2だったそうですよ。結婚しても約半分の夫婦が別れる、まるで離婚大国です。
別れた人は実家に戻り、未婚の人は実家に住み続けた。それが成立していたのは、戦前の家制度がそれぞれの家業のもとに成立していたからなんです。戦前の社会にはシングルの居場所があったんです。
家業を基盤とした家というものが確固として存在し、そこを個人が出入りしていたのが戦前までの家制度といえるでしょう。
一方、男性側も家事を女性に頼っていたのは今と同じ、やもめ暮らしはなにかと不便で再婚を望むことが多かったとか。
武家の場合、離婚率は10〜11%、離婚後の再婚率はなんと50〜59%にもなったといいますhttps://edo-g.com/blog/2016/03/divorce.html/3
どれぐらいメイド雇用が広く普及していたかは、東京都内にある「江戸東京たてもの園」に残された建物を見ると分かるかと思います。様々な年代の家には、そこそこ「女中部屋」が存在しているからです
過去は意外である、江戸時代は制約が多く離婚などできないと思っていた
それが東北でも二分の一が離婚していた?これも信じられないとなる
ではなぜそういうことができたのか?
そういうふうにできる社会があったからだとなる
戦前とか戦後十年は江戸時代のつづきである、水道も電気もない、洗濯は裏の小川でしていたから原始的生活と変わりないところがあった
そして農家でもそうだが家業中心であり農家では自家生産で納豆まで作っていた
極力今のような買う生活、消費生活はないのである
家業中心の生活となると少人数の家族では成り立たない、労働力が必要になるから大家族になっていた、それで離婚しても実家で暮らすことができた
つまり実家では働き手として受け入れていたのである。
家業というときまず家事の仕事が大きな部分をしめる
だから中流家庭でも二人の女中を雇い女中部屋を用意していたのである
自分の母親は東京で女中をしていたからである。
女中は差別語になっているがその頃は女中は女性の普通の仕事だったのである
なぜなら女中がいなかったら家事だけに追われるからである
そしてなぜこれほど一人暮らしが増えたのか?
それも産業構造の変化だったのである。
みんなが今度は会社員とてり工場労働者となっていったからである。
そこでは雇われる身であり家業とは違うのである。規模も違う
家事は今度は電化製品が担うようになった
その時女性は家事労働から解放されたのである。
ともかく家事労働にかなりの労力が費やされたのが戦前であり戦後10年だった
自分の家でも店をしていたら変なんだけど子供の時店を常に手伝わされていた
それは家業だからそうなっていたのだ、子供でも手伝わないと家業は成り立たないからである。大家族だったのはそうして家業であれば労働力として大家族である必要があった
それは戦後の高度成長期の核家族とは正反対のものである
家族は社会の構造によって変わるということである
戦前でも実家の重みは家業をしていたことによっていたのだ
そこで大家族が労働力として必要であり離婚しても実家で暮らすことができたのは労働力を必要としていたからである。それは家事でも相当な労力を費やしていたからである。
つまり家事の労働力は社会全体にとっても相当な負担であり労働力を必要としていたのである。
女性にしても家事労働から解放されたい願望は強かったとなる
なぜこれほど一人暮らしが増えたかというと家事が電化して楽になったからと消費社会になりオカズでも買えるからである、まず戦後十年まではオカズとか惣菜は売っていない
料理しなければならなかったからだ、コメを炊くのでも竈でまだしていたから手間だったのである。家事は実際今でも相当な手間である
自分が十年くらい家事するようになったけど介護は家事と一体だったのである。
料理して出すとかがそうである、だから介護は女性に向いている
息子がするようになったがそれで介護疲れで親を殺しているのは息子が介護している時なのである、それは家事になれていないからである。
でも家事は料理でも電化してほとんど一人でできる、そうなると結婚しなくても家事はできるからしなくてもいいと思う人も増える
江戸時代は離婚が簡単でもまた再婚率も高いのである、それは家事を男一人ではできないからそうなった、結婚しないと家事をしてくれる女性がいないと生活すらできないとなる自分は今一人で十年くらい家事をしている
実際していることは買いものが主であり後はめんどうだから弁当とか買う、料理はほとんどしない、料理はいろいろめんどうだからである。それに凝っていたら他のことができなくなるからだ
一人女性が家に来るとして三日に一度それも皿を二三枚洗うだけでありその人は後は一切なにもしない、掃除もなにもしない、ただ金をせびりにくるというだけなのである
その女性が熱心なのは畑で野菜を作ることなのである
でも家事が容易になりそれに費やす労力や時間が省かれることはやはり社会を変えたのである
なぜ貧乏になったと言っても日本ではニートでも百万近くとか老人でも働かない人が一千万人単位でいる、働く老人も増えたが働かない老人の方が多いのである。
ではなぜそれだけ働かなくてもいいのか?
それは家事が電化したことが大きいのである。別に一人暮らしでも食事の用意はできる
それも時間をかけずにできるようになっているからだ
家事に労働力を費やさなければ時間をとらなければ暇が生まれる、それでゲートボールなどして遊んでいる老人が本当に多いのである。
ギリシャとかローマでは貴族は奴隷に労働させていた、家事をさせていたから暇な時間が生まれた、今は機械がしてくれるからそこで暇が生まれているのである。
一人暮らしが今問題になるけど一人暮らしは水道費とか電気代、風呂代が個々にかかる
これが貧乏な時代になると負担になる、だから必ず電気をとめられたとたか、水道がとめられたとかなる、もし大家族だったら共有だからそういうことはなかった
水汲んだりした労働は大家族などの労働力でまかなっていたのである
みんなが会社員になっている時代は家業とは違う、決められた時間を働いて給料をもらう非正規は時給いくらとなる、それは家業で働くのとは相当に違ったものなのである。
家族でも会社の一員として雇われている感じになる
それで高度成長時代は会社は終身雇用であり家族のめんどうまでみるようになっていたのである。大家族の代用として会社があるとなっていた
でも不景気になると貧乏になると会社はそうはならない、会社も倒産するからである。
終身雇用もなくなる、不安定なものとなった
いづれにしろ一人暮らしの増加とか孤独死の問題は社会構造の変化とともに起きたことである。それは過去との比較でわかる、過去にはそういう大家族があり家業があり成り立っていた、でも今はそうはならない、いまの社会は大きな会社という枠がありそこにはめこむものとして人がいて労働力が必要としている
家族も会社の枠の中にとりこまれる、それが核家族になった原因だし一人暮らしでも孤独死でも増えた原因なのである。
困ったとしてももう実家に頼れない、そこの家業はない、実家でも会社員になっているからである、実家でも代々つづくということはないから墓を受け継ぐ人がいなとなったりする、それは家業としての実家が喪失したからだったのである。
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