貨幣の謎
(貨幣の前にそれを通用させる王国や帝国などの共同体が権力が必要)
貨幣はそもそもいろいろ考えてみても謎である
それが生まれたのは今のトルコのリディア王国である
そこはホーマーのホメロスの舞台となった古い場所である
そこにトロイアの遺跡が埋もれていたのである
そこはもともと要衝の地であり港だった、私自身が行ったことがあるけど何か遺跡にして小さいのに驚いたのである、こんな小さいのがホメロスの舞台だったのかとなる
何か日本だと古墳の方が大きいから大きい国を想像してしまうがここは小さいのである
場所としてこれは陸地にあってもその時代は海が迫っていた場所である
つまり港の機能があった場所であり要衝の地であり貿易の港として機能していた
そういう場所から人類最初の金貨が生まれたともなる
また砂金がとれたとか資源があり金属加工技術がありとかいい条件があり生まれた
そしてそこにミダス王の杖で触れるとなんでも金に変化したという伝説が生まれた
それだけ金がとれた場所だったともなる
そこから今度はギリシャに貨幣が広がった、まずリデアにしても一つの王国があり共同体があり貨幣が生まれた、次にギリシャは大きな国としてのまとまりがありそこで壺などを売る貿易が地中海を通じて起きた、植民都市を地中海沿岸に作った
ベニスとかフランスのニースとかでももともとギリシャがで新しい都市という意味であり植民都市から始まった
その植民都市にギリシャの貨幣が使用された、つまりギリシャがそうして貿易とか通じて拡大化されると貨幣もその中で通用するようになる
貨幣だけが単独で通用しないのである、その前に王国であれ帝国であれ大きな共同体が政治組織が生まれないと貨幣は通用しないのである
共通の貨幣が通用するにはそうして共通の土台となる連合であれ共同体ができないと通用しない、それはローマ帝国でもそうだったし最近ではユーロ―がそうである
ヨ−ロッパを統合するものとて新しく生まれた貨幣だからである
中国でも始皇帝が統一国家を作った時共通の貨幣が生まれた
そして今ドルが世界基軸の貨幣になっているときそれはアメリカが世界を支配している
アメリカが軍事力でも支配して経済でも支配しているからそうなる
それでアフリカの果てまでロバに乗った子供までワンドーラ―くれと言っている
ドルは世界中で通用するのである、例えば石油でも売買できるのはドルなのである
それはアメリカが世界を支配しているからドルが世界で通用している
何か交換するに便利だからとして貨幣は生まれない、経済の前に政治があり軍事力がありそれで共通の貨幣が通用する
外国に行ってカンボジアとかベトナムの紙幣とかもってきても何の価値もない
交換しても利息三文なのである、ただの紙切れと同じなのである
しかしドルだったら十分な価値があり円と交換できて物を買うことができる
だから今なぜ中国で元を共通貨幣にしようとしているかとなると中国がアメリカと対抗できるような大国化したからそうなる、単に便利だからとして貨幣が通用するとはならないなんかトルコにいってエフェソスというローマ帝国の遺跡は立派である
そこでローマの貨幣だとだまされて買った、それはどうしてかというとその遺跡が立派だからその偽貨幣でも高いとも思ったのである
貨幣の背後にはそうした実質となるもの価値あるものがなければ効用がないとなる
しょせん貨幣でもそれ自体には価値がないからだ
その貨幣でもたらされるものが買えるものに価値がある
その金で何が買えるかということである、アメリカからドルで何が買えるのか?
日本から何が買えるのか?ヨ−ロッパから何が買えるのか?中国から何が買えるのか?
それが問題になる、その手段として貨幣があるのであり貨幣とか紙幣自体に価値はないのである
ただ世界でドルが基軸となっていてもアメリカの国力が衰えればドルの価値も下がり通用しなくなる、つまり貨幣の価値はその国の力に作用されて決まる
その国の力とはいろいろある、資源とか軍事力とか技術力とか政治力とかいろいろ要素がある、国力とは総体的であるからだ
アメリカはそういうふうに総合的力がありドルが依然として基軸通貨になる
でもそろそろその地位もゆらぎつつある、アメリカがいつまでもその力を維持できない
それはイギリス帝国が七つの海を支配したときボンドが世界で一番通用する基軸通貨となっていた、エジプトボンドとかもあった、それはイギリス帝国が支配したからである
オスマン帝国で部下がエジプトに派遣されてそこでその部下はその地方長官となり王のように君臨する、そして自分が王として貨幣を鋳造しようとしていた
それでスレイマンという王によって征伐された
何か貨幣はそうして権力と関係している、権力を誇示するものとして貨幣がある
ローマでもそうして地方長官とかが反乱する、そして自らの像を貨幣に刻むことがある
ローマ皇帝の像は刻まれるが地方長官の像を刻んだ貨幣がある
硬貨鋳造の権限についてカッシウス・ディオは「各都市は独自の造幣権や度量衡の制定権を持つべきではない。彼らは我々のものを使うべきだ」と記している。共和政期から帝国期前半においては、ローマだけで金貨や銀貨が造幣されていた。
貨幣の発行権は権力をもつものがもつ、それでGHQに戦争に負けた日本は天皇の菊の紋様の貨幣の発行を禁じたのである
つまり貨幣には権力がかかわる、これを見ても戦後日本は独立国ではない、貨幣の発行まで自由にできなかったのである
実際は様々な自由が奪われていたのである、それは敗戦国になったからである
だからトルの基軸通貨にロシアとかは反対している、IMFとかに入らない管理されないということで今も対立している
中国でもアメリカに対抗するのにドルの基軸通貨から離れようとする
だから貨幣には政治権力が常にかかわっている、貨幣を発行できるのは権力を持つものだからである
例えば地方通貨などが話題になって実行されてもその範囲は狭すぎるから普及しない、江戸時代だと仙台銭とか地方通貨があっても
それは藩内でありその外では通用しない、大きな権力下で幕府が公認しないと通用しないのである
いづれにしろドルに不満をもつ時、アメリカが富を独占している、世界から搾取して独占している、グローバル経済で株式で富を不法に集めて何兆円もの富をもつ数パーセントの大金持ちがいる、それはドル基軸のアメリカの世界支配の下でそうなっている
それはアメリカ帝国があってそうなっている、でもアメリカ国内でも格差が激しい
アメリカ帝国があってもアメリカ人は食べることが満足にできない底辺層がまた多いのである
それでこうした富の独占を許すことはできないと貧困層から社会主義者のサンダースとかが人気になっている
ローマ帝国でも常に権力争いがありそれが貨幣に影響していた、二頭政治だと二人の権力者が貨幣に刻まれていたり四頭政治とかにもなる
日本でも宋銭の資金力が平家を台頭させたと考える「反平家」の人々や宋銭の流通によって経済的に不利益を受けるようになった荘園領主、地方武士も、宋銭とこれを流通させようとする平家に強い不満を持つようになった。
ただこの宋銭は民衆単位で便利だから権力と関係なく流通したと言う人もいる
この宋銭は青森の一三湊とか函館から大量に発見されている、それだけ日本の広範囲に流通した、この宋銭が日本の貨幣経済の端緒になった、ここでも宋銭を牛耳る平家に対して対立が生まれた
つまり貨幣が経済的合理性はないのである、だから中国であれ世界でドル一極支配、アメリカ一極支配に対抗するためユーロ―が生れたり中国でも対抗してくるのはそのためである
日本でも天皇の菊の紋の貨幣の発行をGHQが禁じたというのも本当に理不尽なのである
ただ中国の元が紙幣が基軸通貨になったらこれも不満になる、でも通貨の背後には政治が大きな権力がかかわるから従うのである
そして貨幣が金がこれほど力をもつのは貿易が盛んになるときである、外部から多くの物を買いたいとなれば貨幣が金が力を持つ
現代はまさにグロ−バル経済だから外国から無数の物が入る時代だから金が必要になる
もし江戸時代の自給自足の村だったら外部から買うものもない売るものもないとなり金の力はそんなにないとなるからだ
とにかく海外旅行すると常に貨幣を両替したりとか貨幣に興味をもつ、ヨ−ロッパでもユーロ―になる前は国ごとに貨幣が違っていたのである、だから国を変わる旅に貨幣を交換するからめんどうだった、でもユーロ―になるとそういうことがない
でも貨幣を通じてそれぞれの国を意識することがありそこでその国の歴史に興味をもつことがある
だからお土産として自分は貨幣を記念にもってきたのである
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