冬の灯(独り身は独り身を想う冬)
遠山に日のあたりたる時雨かな
5か月を入院したるその人の故郷に帰り冬の灯ともす
遠山に日のあたりたる枯野かな 虚子
何か類似俳句というのが作り安い、短歌でもあるだろう
昨日は本当に時雨だった、ぼつぼつりと雨滴にぬれた、ただそれは気づかれないほどだった、時雨でも雨の場合もあり間違いやすい、時雨はぽつりぽつりと頬を濡らすものであるそして雲が出ていて山を覆っているがその中から日がさして一部が明るくなっていたからそういう季節である
スーパーで5か月入院していた80歳くらいの人が退院してきてあった
帰るとときいていたがようやく帰ったとなる、でもやつれた感じである
糖尿病の人だった、その人は10年前くらいに妻をなくして大きな家に一人で暮らしているのが淋しと常に言っていた、でも娘はとなりの街に住んでいる
親戚も多い、でもやはり妻がいないということは相当に淋しいことになる
だからそのことをいつも言っていた
それは自分自身も家族をみんななくして大きな家に一人住んでいるからわかる
そして不思議なことは独り身の人は独り身を想うということである
別に妻がいれば夫婦の人は思わないのである
夫婦は互いに身近に相手を思っているからである
そして夫婦の人は独り身の人に関心がない、淋しいとかも思わない
何か人間は他人に無関心である
でも同じ境遇の人は共感しやすいことがわかった
同病相あわれむということもある、それと似た感じである
なぜその人のことを思ったのか?
それは親しいといのでもないてけれど一回くらいその人の家に入ったこと
庭とか見たことか、それとそこが近いからである
その近いことが相当に影響していたかもしれない、それでそこが空家になっていることを気にしていたのである
そしてようやく帰って来たのかと思った
その人は80歳越えているからこれからどれくらい生きるのか?
糖尿病がどのくらい悪いのかわからない
でもやつれた感じにはなる、そこに知り合いの女性は親しく行っている
前からの旧知であり連絡し合い行っている
ただ糖尿病だから食べ物に注意している、料理は自分でしていた
でも今度自分で料理をするのは大変になるかもしれない
何しろ病院の楽なのは料理をしなくてもいいことなのである
この料理だけは手間なのである、だからほとんど私は買っているだけなのである
いづれにしろ近くに親しい人がいることは安らぐ
そう思うようになったのは家族がみんな死んでからそうなった
それまで自分は妻がいたように他者のことを思わなかったからである
その人と特別親しいわけでもない、ほんの知り合いというだけでもやはり近いから思うとういことがあった
人間は近くないと日々顔を合わせていないと「去る者は日々に疎し」となってしまう
なんか変なだけど母の実家の墓参り一年に二回くらいしていた
今はしていない、その家の親戚にひどい目にあったから行きたくなくなったのだ
仲良くない親戚は一緒に墓参りすらできなくなる
プログに書いたように自分の親戚は分裂不和のカルマをかかえていたからそうなった
でもその墓でも実際は近いのだから墓参りに来てくれと死者が思っているかもしれない
それも奇妙だけど近くにあるからそうなる
「遠くの親戚より近くの他人」人間は思うだけにしてもそうなのである
遠くなれば思うことさえなくなる、実はこの思うということは意外大きな力がある
思っただけで殺したいと思っただけで誰かがそのために死んだとかインドの哲学者が言っていた、それだけ思いとか念の力を見えないにしろ思った以上大きく強いものなのであるどうしても思うことは現実化しやすいのである
近くにいても思わない人は思わない、無関心である、ただ自分自身でもその人を想っている想っていたことが不思議なのである
ああ、あの人がやっと帰ってきたなと思ったからである
そして5か月ぶりに灯がともった、またなお故郷に生きるのだなと思ったのである
それだけ近くにいるということは思いが働くのである
ただ独り身の人は独り身の人を想うとういことがありそうなったともなる
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