梅匂う(死者は家に生き続ける
(忘れられない家族と死んでも生きる)
真日さして山鳩数羽梅匂う
雨雲に月の隠れて春の夜
梅の香の夕べ満ちにつ闇に入る
初蝶の庭に飛び来ぬ人変わる
姉死して9年すぎしやなおあれや我への愛の家に残りぬ
目立たざる母にしあれど我が家を支えて長し死してねぎらふ
相馬焼に猫柳さし梅におい遺影を見つつ我が家に安らぐ
死者はなお家にありしも我が一人なおともにしもあると生きにき
目立たざるクリスマスローズ一輪の我が庭に咲きそを知りふれぬ
餌をやる女(ひと)の死にしも猫は来る知らずとあわれ年はへぬるも
その女(ひと)とわずかの時のともにあり死して見ざりき春になりしも
人間は本当に死ぬと不思議である
自分の場合どうしても姉と母のことが忘れられない、それは複雑でも60年以上一緒にいたのである、子供の時から一緒に一つの家にいたのである
そのことが影響して忘れられなくなった、両親でもそうして一緒にいないと情も薄れてゆく、でもこうしし死ぬまで一緒だったから死んでも依然としているような感じになる
そして自分は複雑な家族でも特別良くされていたのである
何かとがめられたことがほとんどないのである
仕事しなくてもそれをとがめられたことはなかったのである
旅に出てもいつも待っていたのである
その時家事は一切しなかった、30年くらいそうして恵まれた歳月が夢のように過ぎてしまたっのである
最後は悲劇にしろ二人のことは忘れられないのだ
そして何か不思議なのは依然として家にいて当時のようにそこにいる感じになる
何か死者は簡単に消えないのである
何か愛情をそそいだ場所に依然として愛が流れている、エネルギーを感じるのである
死者はそんな簡単に消えない、確かに体はなく何もなくなる
でも依然として霊となってとか何かが存在し続けている
そして花を挿す、供物をささげる、そういう行為で死者ともつながる
死者は消えてなにもないのだが花でも供物でもそれを通じて死者とつながるということがある、たから本当は死者には花でも供え物でも欠かせないのである
墓ではそうしなくても家に遺影があればそこにいつもいるという感じになる
隣の人が死んだ、その女性とはわずかに花がどうだとか話したりした
でもそれは四五年くらいだった、その前は自分は家族がいて誰ともききあっていないのである、家族がみんな死んでからしかたなく話すようになったのである
その女性はおとなしい女性だった、歳は60代から70くらいなのかそんな歳である
その女性が死ぬとは百パーセント思わなかった
数カ月前も庭を歩いたのを見た感じだった
ただその女性は野良猫に餌をいつもやっていた、そのことで自分も猫を飼っているから話した、何匹か野良猫が集まっていた、その野良猫が自分の家の猫の餌をねらって入ってくる
でも餌をやっていないようだ、どうしたのだろうと見ていた
それも最近のことだった、あっけなく死んでしまったことに驚く
仙台の方で入院はしていたようだ、何かそこで早く死んでしまった
とにかくこの年になると知っている人が次々に死んでゆく、隣近所でも死んでゆく
そこでいつも人間のあっけない死に驚く
こんな簡単に死ぬのかと驚くのである
人間は常に変化である、人も死んだり新しい人と入れ替わったりと人間関係も変化である今や昨日会って見ていたが死んだとかなる、それから二度と会えなくなる
人間は次々にあっけなく死んでゆくだけだとなる
初蝶を庭で見た、今日はあたたかい、梅はふんぷんと匂っている
三日前辺り月は雨雲に隠れた、まさにその女性は時死んでいたのである
隠れるとは死ぬことである、その女性の一生は何なのだったのだろうとまたふえかえる
でも次々に死んで忘れられるのも人間なのである
正直夫が一人残されると淋しいとなる、早く妻を死なれた人は悄然としている
息子家族と一緒にいるから一人ではないにしろ淋しくなる
人間は愛着ある場所に生き続ける、そこにいたいからだ、原発事故はそういう場所を奪ったともなる
なぜならそこには死んだ愛する人が生き続ける場所でもあったからだ
ただ自分が生きている間は偲ぶが後はしのぶ人がいなくなる
とにかく人は一時を一緒にいるだけである、実にはかない、後は死んで逢わなくなる
この年になると逢うとしてもほんの一時で後は死んで逢わないとういことが多くなるのだ
それは家族でもそういうことがありたださよならだけが人生だとなってしまうのである
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