civilization(文明)の意味
(封建制から市民社会へ、貨幣経済が自由を生んだ)
ここでの「封土(ほうど)」は「領地」と言い換えることもできるのですが,それには「土地」だけではなく,そこに住む「農民」も含まれていたことに注目することが大切です。
言い換えれば,先に述べた「主君」も「家臣」も,領地・領民をもつ「(荘園)領主」だったわけです。「領主」は,「荘園」(農民も含む領地)を所有し,農民( =移動の自由などを持たない「農奴」)にさまざまな形での地代や税(収穫物や労働など)を強要し,それによって生活していました。
貨幣経済が浸透してくると,従来のような物々交換は敬遠され,できるだけ貨幣を使っての取引が求められるようになっていきます。多くの貨幣が必要となった領主たちは,地代(農民に土地を使わせるかわりに,農民に支払わせる代償)としても,貨幣を要求するようになります。
そうすると農民は,自分たちが作った農作物を市場に持って行って売り,その代金の一部を領主に支払うようになります。その一方,余った分の貨幣は,自分のところに貯めておくようになりました。腐ってしまう農作物と違い,貨幣ならば蓄えておくことができたのです。
封建制とは封土というように土地と農民を基盤にした支配システムである
それは日本でも江戸時代は土地から主に米を基本にした経済であり税は米で納めるし米が貨幣の役割りを果たしていた、石高が収入の基準になっていた
土地が基本ということは農業社会である、だから農業にとって土地が富を産み出すものだったのである
だからこそ農民は土地にしばりつけられて移動の自由もなかったのである
領主によって移動の自由を制限されたともなる、なぜなら土地にしばりつけてそこから税を納めさせるシステムだからである、それでヨ−ロッパでは農奴とされたのである
その封建制が崩れたのが貨幣経済の浸透だということは興味深い
貨幣経済が普及するには商業とかの発達が必然的にありそうなった
それまでは物納だったからである、日本だったら米で納税していたからである
農民が農作物を市場に出したということは農業でも商業化したことなのである
市場化が封建制を崩壊させる契機となったということは特筆すべきである
なぜなら市場がなければ貨幣経済は発展しないからである
あらゆるものが市場で取引されるとき貨幣が必要であり貨幣経済が発展するからだ
そしてなぜヨ−ロッパでは都市が形成されたのか?
今でもシテズンシップが言われる、ヨ−ロッパ文明がcivilizationというときcivilは
市民のことなのである、市民社会が形成されてcivilizationが生まれた
だからここが日本人には理解できないのである
そもそも市民がいないからである、日本は封建制があり江戸時代300年つづいた
それが明治維新でヨ−ロッパ文明に習った、でもその文明を取り入れたとはならない
なぜなら日本には肝心のcivilizationの市民がいないからである
では市民とは何なのか?それは土地に縛り付けられた封建制から脱した市民の共同体ということである
それは市民とはブルジュアともいわれ市壁によって囲まれた中に住んでいた共同体の住人だったのである、そこには封建制の土地に縛り付けられた農奴はいないのである
だから都市は自由にするというとき土地に縛り付けられた農奴とは違った自由があるということになる
日本でも江戸時代は土地に縛り付けられて関所がありその領主の支配地域から出ることができなかったからである
それで相馬藩で飢饉になったとき越中とか越後とか日本海側から土地を得られるとして来た移民がいた、でもそれは命がけの移動だった、なぜなら藩から出ることは禁止されていたからである、移動の自由がない社会だったからである
移動するという時商業だと物を売ったり買ったりすることで常に移動する、遠くまでも移動する、商人は自由に行き来できなければ成り立たない、また交通が発達しないと自由に移動しにくい、でもヨ−ロッパとか中国は広いとしても川が道になっていたのである
川で都市と都市は結ばれていた、ヨ−ロッパとか大陸の川は運河と同じである
日本がの様な川と違って流れが運河のように穏やかだからである
それで都市は封建領主が独立したものとなり商業で自立するようになった、そこには商工業もあり都市は土地に縛り付けられた農業から脱した世界となり都市には自由があるとなった、そこで商人のネットワークができてハンザ同盟とかが結ばれる
それは領主とかから脱した自由な商人の結合でありその範囲は広くなるのである
広域ネットワークが生まれたのである
不思議にこのことを歴史をふりかえるとグロ−バル化を批判してきたがまず貨幣経済と商業が発展することは封建制を崩壊させたのでありヒト、モノが自由に行き来する社会を作ったのである、それは現代のグロ−バル化社会に通じていた
世界的にヒト、モノが自由に往来する社会である、そして貨幣経済が発展してかえって
そうした貨幣経済が金融によって世界が支配されて弊害が生まれた、ドルが世界の金となるとき結局それはアメリカが利する世界だからである
アメリカが覇権国になっているゆえにそうなったのである
でも本来は貨幣経済が悪いというものではない、貨幣経済は封建制を破るものとしても機能したからである、商業とか工業が発展すると封建制も自ずと崩壊してゆくのである
グロ−バル化社会というのはま、た多国籍企業となり国というものまでも無視することになる、国はかつての封建制のように国土に縛り付けるものと見るからである
その国を越えて自由に貿易でも企業でも活動できることで成り立つからである
多国籍企業にとって国は必要ないのである、国の縛りがあると自由に活動できないからである
でも人間にとって国を無くすことはできない、なぜなら国のアイディンティティは歴史とか風土とかなりたち文化がありその一体感は経済だけで考えるのは間違っているからだ
グロ−バル経済でもだからアメリカでも中国と貿易とか経済に重きを置けば対立することは得策ではないとなる、でもアメリカにとっては覇権が失われるとなり対立して戦争にまで発展するとなる、だからいくら経済中心にしても国の障壁をなくすことはできない
人間は経済だけで生きるものではないからである
でも何か歴史をふりかえるとグロ−バル経済でもそれはすでに中世からはじまっていたのである、それはヨ−ロッパの一部にしても世界的に広がったのが現代だとなる
ヒト,モノが自由に移動する社会というのは人間がもともと望むことだったからである
ただその弊害が大きくなったのが現代のグロ−バル化経済だった
コロナウィルスというのもグロ−バル化の弊害として現れたともなる
これだけ人が国内であれ世界であれ行き来するときもう感染拡大は避けられないのであるヒト、モノの自由な移動を止められない、止めると経済がとまりそれで死ぬ人さえでてくる、そういうふうに社会がなってしまったからである
つまりコロナウィルスはそうしたヒト、モノの自由な移動を止めたのである
だからヒト、モノの自由な移動にはやはり限界があったとなる
ヒト、モノとか技術の自由な移動には問題があった、原発とか食料でもその風土に見合ったものが必要であった、原発は地震とか津浪がある日本には向いていなかった
食料でも欧米化して日本人に悪影響したものがある、あくにガンが増えたのは食事の欧米化にあったとされているからだ
つまり日本人は肉食民族ではなく魚と穀物中心の食生活でありそれで腸も長くなった
欧米は肉食でありそれで肉を消化する酵素がでるというのもそうである
体質が肉食に適したものとして長年の生活で作られてきたからである
いづれにしろグロ−バル化社会というのは人間が自由を求めてきて生まれたものでありそれはすでにヨ−ロッパの中世から始まっていたのである
でもそれがグロ−バル化世界化したとき問題が生まれた、全面的にヒト、モノの自由な移動が必ずしもいいものとして働かなかったことである
その弊害が世界的に現れてきたのである、貨幣経済が確かに封建制を崩壊するものとてし働いた、でも今貨幣経済は金融は実体経済とも離れ金融は国際資本家によって支配されているとかなった、金融を操作してるだけで莫大な富を得ているとかなる
アメリカでは数パーセントの人がアメリカの富の50パーセントを得ているとか格差社会になったとかいろいろ弊害が顕著になったのである
こういう時コロナウィルスが蔓延しているのも時代なのかとなる
【日本(世界)文化文明論(現代文明批判)の最新記事】
- 茶道がなぜ日本から生まれたのか 【..
- 日本語の謎ーわかる分け合う分かち合うの意..
- 現代文明はもはや一個の人間が認識する範囲..
- 庭作りから自然を農業を知る (農業..
- 文明と交通の発達は不可分に結びついている..
- 肥料で苦労してきた農民−農業を知らないと..
- ヨ−ロッパ中世と日本の歴史の共通点 ..
- 日本は森の国でありヨ−ロッパも中世は森で..
- 東洋思想と西洋思想とは何なのか? ..
- 島国日本と大陸文明 (日本人は大陸..
- この世は迷宮であり怪獣に食われる ..
- 地理が歴史を作る (初夢(はつゆめ..
- 空間軸と時間軸の世界歴史 (グロ−..
- 遊牧民から世界史を見る (遊牧民が..
- 遊牧民の世界への影響 (モンゴル帝..
- 文明をどうみるか、世界史を理解するには ..
- ネパールの原生林に住む原住民の不思議 ..
- 現代文明は互いに人と人が理解しえない社会..
- 文明の発祥の地がなぜ砂漠なのか川の側なの..
- 文明と文化の相違 人間の業なる文明..