冬の鴨(写生俳句のことなどー新年短歌)
今は仲良く姉と母が映っている
新年や雲間に光る星を見る
冬の鴨数羽寄り合う今日も見ゆ
一時に散る木の葉二枚や風荒れぬ
玄関に出でて立ちにき新年を迎えて一人家を背負いて
去年咲きし薔薇の花かな年明けて散りしもその花我は思ふも
我が家や黄と紫の菊映えてその間に咲きぬ白百合の花
ふるさとに老いてあわれも枯芒鴨の寄り合い陽は落ちにけり
河原の芒は枯れて陽は落ちぬ今日も数羽の鴨の寄り合ふ
陽は落ちて夕映え残る河原かな芒は枯れて鴨の寄り合う
今年を象徴していたのが雲間に光る星だった、その星は雲に隠れて消えやすいのである
つまり何か今の世相と呼応している、つまり何か文芸とかでも時代を反映する
その時代を読むことが最高にむずかしいのである
その時代をどういう感覚で生きていたかは一時代が過ぎると理解ができなくなる
例えば戦争から70年過ぎた、その時生きた人でないとその時代の雰囲気がわからない
そしてなぜ戦争になったのかということも未だにわからないし不可解なのである
それだけのことがあったのだから70年もすぎたら明確にわかっていいはずだがなぜ戦争したのかも明確ではないしわからないというのも解せないのである
確かにいろいろなこという人がいるが何か明確ではないのが解せないのである
それで私は原発事故のことを地元だから否応なく追及して来た、それは複雑でもその原因が明らかになってきた、それは地元でその事故を経験したからである
これも複雑にしてもやはり地元であり見えるものがあった
でも戦争となるとわからないのである
だから私が原発事故でプログで書いてきたことは地元から見た証人の役割りを果たしていたのである、ただ地元でもマスコミでも真実を語らない、取材もしない
それで地元について悪いことも書いた、するとそれは受け入れられないともなった
ともかく新しい年がはじまった、玄関に一人立つときもう私には家族はいない、でもは一人家を背負うようになったのである、家というとき建物だけではなく死んだ家族も背後にいるのである
去年あったことは今年もある、継続している
500円で買った花は良かった、フラワーアレンジメントでも金と時間がかかる
何か一人ではいろいろなことができない、家事に追われてできない
俳句でも短歌でも自分は写生を基にしている、これは別に才能がなくても作れる
見たままに本当に真実があるからだ、ただ写生俳句は平凡になりやすい、だかか鑑賞するのがむずかしい、その背後の意味をくみ取らねばならないからである
「一時に散る木の葉二枚や風荒れぬ」というときどういうことかとなると死んだ人をイメージする、この年になると同じ年代でも死ぬ人がいる、一時に二人死んだということもある、するとそのことをイメージするのである
写生俳句はこうしてその背後を読み取ることで深く鑑賞できる
俳句は短いから鑑賞する方がむずかしいのである、ただ見たままだとそれで何か特別なものがあるかとなるからだ
だからこの写生俳句と相性がいいのが写真なのである、写真はとにかく見たままを映すからである、そこに嘘偽りがないのである、でも写真でもまた本当に目で見たものをそのまま映すとはならない、なぜならその辺りの雰囲気をすべて感じくことは不可能だからである、だから写真をみて俳句でも短歌でも作れないのである
そこに機械の限界がある、その場に立たない限り人間は感じられないのである
なぜならその場の雰囲気は一部を切り取った写真でもビデオでも感じられないからである
鴨というと秋の季語である、冬となると冬の鴨になる、その鴨を毎日見ている
買物に行くとき河原にいるから毎日見ている、ただそれだけのことだが心にしみる
それはふるさとに老いてゆく姿にも見えるのである
つまり写生からそういうものがイメージされるのである
なんか老人がよりあっている、あまり語ることもなく静かに寄り合っている
そういう風景がイメージされるのである
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