故郷の桜
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ふるさとも花に染まりぬ朝(あした)かな
遠くより近くも桜の錦かな
我が家より真野の中館の桜かな
朝桜風のうなりてちりそめぬ
花の影行く人わずか今日も暮る
霊山の岩黒々と夕桜
残雪の吾妻嶺光り阿武隈川たぎち流れて花盛りかな
桜は日本がだったらどこにでも咲いている、意外と注目していないが南相馬市の鹿島区が桜が映える場所がある、全体的にも大きな通りもないし街もない農村風景だからそこに桜が咲き映えている
でも何か原町とか相馬市では桜がそれほど映える場がない、確かに相馬市だと城跡に桜並木があり桜が咲いている、ても市全体となると何か桜が映えるとも見えないのである
ただそれぞれの場所に桜は咲いているからそうして近くでも発見されていないのである
あまりにも日々見慣れた景色は感動しないのである
だから人は旅にでるのである、遠くに向かうのである
ひごろ憎き烏も雪の朝哉 (松尾芭蕉)
何かこれがわかる、田舎だと醜いものが目立つのである、でも朝が明けたら一面に雪におおわれていたとなる、それが桜にも言える、一面が桜におおわれ花の雲となっている
それは日本だったらどこでも見られる景色なのである
それが日本がの良さだとなる、だから桜の名所は無数にあるとなる
名所と言われるところだけが名所とはならないのである
鹿島区だと万葉ふれあいセンターも桜の名所となっている
ただ桜田山の方は桜が枯れてしまっているの名所が変わったともなる
それから自分の家から真野の中館の桜が見える、ここは南朝の武士が霊山から落ち延びた一族が住んだ只野氏はその時落ち延びた侍だったのである
それがこの土地の先祖ともなった、なぜなら只野という姓が50人とか南相馬市に多いからである
桜で圧巻だったのは残雪の吾妻嶺が見えて梁川から阿武隈川を下った時である
桜と桃の花が一緒に咲いて美しい光景になる、阿武隈川が蛇行してたぎつ流れる
それが雄大な景色となっていた
そして丸森を去るときに峠を越える
峠越え丸森去るや夕桜
こんなふうにして自転車で回っていたのが自分だったのである
何か丸森は夕桜として印象に残る場所だったのである
こういうことはまず車だと印象に残らないのである、過ぎるのが早いからである
峠を上ったな越えたなとかの感覚がもてないのである
峠越ゆ人の姿や春の暮
何かそこに人の姿が見える、でも今は車しか見えないのである
それで広重のような絵にならないのである
車が峠を越えて行くとかそれが絵にも詩にもならないのである
私はそうして自転車で坂をあるときは歩いて上っていたからそれが体に残る
車ではそうして記憶に残らない、ある地点から次の地点まで早く到達するかだけになってしまうのである
つまりどこでも今や人の姿がないのである
今日は花曇りになった、桜の時期でも天候は変化する、明日は雨となりもう桜は散るという、花の時期はそれだけ短いのである
この辺の問題はやはり小高とか浪江とか双葉でも人が流出したことである
家はあるのだが人は住んでいないのである
そういう町とか村でも桜は咲いても映えないとなる
さまざまのこと思ひ出す桜かな
命二つの中にいきたる桜かな 芭蕉
奇妙なのは小高でも浪江でも双葉でも桜並木がある、そこを去った人が多い
でも帰ってその桜を見る人がいる、浪江の桜は手入れしていた、でも帰る人は一割もないのである
だから人が住まないと桜も活きてこないのである
命二つとはまさにそこに住んでいた人たちのことである、一つの命ではない、みんなの命がそこの市町村で生きていたからである
そしてその故郷の桜をみると様々なことを思い出すともなる
何かこの辺は本当に不思議である、浪江の復興住宅に住んでいる人と話をする
その人も一か所ではない転々として住んだ、そして今ここに住んで自分と話ししていることも不思議だとなる、そんな運命がありうるのかとなる
第一故郷に住めなくなるとはいうことなど予想もしなかったことである
我が町の浪江の人や帰らざる故郷思ふ桜咲けども
何か流転の人生ともなった、普通はこんなことはありえないことだったのである
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