冬の蝶(ルリタテハ)が庭に来る―日本文化と茶室のこと
(葉牡丹、冬あざみ、冬薔薇)
風うなり籠り隠る家冬の蝶
北風や茶室に一人籠もるかな
この道の碑の古りあわれ冬あざみ
この道を今日も行くかな冬あざみ
冬薔薇一輪あわれ茶室かな
茶室への径や待ち屋に落葉かな石に対すや主と逢わむ
北風の唸りて茶室に一人あれ茶碗の古りてその重さかな
土壁の茶室に映る日影かな木の葉の散りて径そ暮れゆく
3月〜12月
成虫は初春頃から秋の終わりか初冬までのかなり長い時期を数回に分けて活動しています
木の根っこ
葉牡丹
庭の石
冬薔薇一輪
唸る北風
一人籠もる家
今日朝窓の外を見たら黒い蝶がいた、めずらしいと見た、結構長くとまっていた
それはルリタテハである、羽寝かきざぎざしているしこれは春に山で見かけるものだったではなぜ冬になって街の中で見たのか不思議だった
でも季節的には初冬まで飛んでいる蝶とある
これは普通は山で春を告げる蝶と見ていたから意外だった
狭い庭でもそこは自然があるから蝶でも鳥でもくる、この前はジョウビタキの冬鳥のメスを見かけた、雄はきれいだがメスはきれいではない、紋様もないのである
なぜルリタテハが飛んできたりするのか、それはこの辺はまだ自然が回りにあるからそうなる、この前はジャコウアゲハも飛んできたからである
とにかく庭があるとやはりそこが自然であり自然のものを呼び込むのである
この庭が日本独特の文化となったことがわかる、茶室があり庭があり茶道が生まれた
それは極めて日本的なものとして自ずと生まれたのである
外国のような荘厳な豪華なものではないが小さな茶室という空間が俳句のようなものでも日本的文化を育んだのである、だからエジプトであれ巨大建築があるのとは大分違った文化なのである
わび、さび、ほそみ、とかなる、何かそれは冬の枯野などにふさわしいのである
茶室だと待ち屋とかあり出合いを演出する、ただそういう文化が生まれたのはやはり時間間隔が違うからである、時間の流れが遅かったからそういう文化が生まれた
いちいちそんなふうにして逢う時間を作ること自体は忙しい現代に作れない、似合わないのである、時間の感覚は時代によって相当違っていたのである
現代はまた情報洪水になり何んでも追われている、無の空間が作りにくいのである
茶室とは老子の言う無用の用の空間になるからである
別に私は茶道のことなどわからないが日本人であれば日本の自然に接していれば自ずとわかるものなのである、それは外国でも同じなのである、なぜ万里の長城があるのかとなる大陸は陸続きなのだから侵入する敵を止めることができない、だからこそ万里長城ができた、ウクライナでもロシアが所有しているクリミア半島を壁で囲むようにするとかいうのもそうである、陸続きになれば戦争になればそうして壁を築いた侵入を防ぐほかないからである、だからヨ−ロッパでも都市は壁で囲まれているのである
日本の都市に壁がないのはもともと陸つづきでないから異民族が侵入していこないからそうなったのである
小さな庭でもそこに自然は調和する、木の根っこがあり石があり葉牡丹を植え冬薔薇が一輪咲いているのはいかにも冬らしい
そして一つ一つの事物が何か語っている、互いに調和して語っているのである
だから庭は一つの自然の空間なのである
いづれにしろ冬は老人にあっている、冬ごもりとなり籠もるのである
私は陰の性格だから人と逢うのはまれにしてこうして一人茶室でも籠っているのが気持いいとなる、でも庭は欠かせない、狭い庭でも蝶でも鳥でも来るからである
ただ今日のルリタテハは意外だったとなる
思わぬ訪問者であり幸運だったとはなる、これはおそらくもっと自然のある場所だと家で自然に接することができる、でもそうなると不便になる
だから適当に便利で自然がある場所がいいのである
ただすべてがいい場所などないのである、回りに嫌な人間もいるし何かと不便であったりいろいろ不満がありそういうものはどこにいてもなくならない
自然はいいが人間は嫌だとしてまた都会に帰る人もいるということである
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