老舗の菓子屋を守るために犯罪者となったドラマ
(なぜ命が尊いのかー仕事が天職が価値がありそれに献げる命が尊いとなる)
●老舗を守るために犠牲にされたホームレス
葬儀屋松子の事件簿のドラマで老舗の菓子屋を受け継いだ男性が経営がおもわしくなく金に困っていた、それで自分自身に二億円の保険金をかけて偽装自殺した
本人が自殺したのではなく近くのホームレスが身代わりに殺されたのである
このドラマは何を意味しているのか?
その老舗の旦那は江戸時代からつづいた老舗の菓子屋を継続させることが最も大事なことだとしていた
ということはその老舗にはそれだけの価値があったから継続させようとしていた
ただ価値というとき本人が価値と思っても他者ではたいして価値を認めないことがある
いくら老舗の菓子屋でも認めないことがある
そもそも民間だととにかくたとえいくら価値があっても商売として経営として成り立たなければ維持できないのである
それで結局保険金二億円を得るためにホームレスが身代わりになったのである
そこでホームレスに何のか価値があるのかと見ていたかもしれない
こいつらは無駄飯喰らいだから何かの役にたたせるのがいいとまで見る
実際にそのホームレスは老舗を維持するために犠牲にされたとなる
そこに葬儀屋がかかわっているのも現代的である、孤独死した人もドラマになっていた
葬儀屋に死ぬ前に相談できる、どうしてほしいか相談できる
ただ葬儀屋でも客をとるためにいろいろと工作する、看護師に金を渡して死者を知らせて葬儀を請け負うとかある
葬儀屋というとき昔はなかった、地域で葬儀をしていた、村だったら村の人総出で葬式をしていた、それで村八分でも葬式だけは除外していたのである
●人間の命そのものが尊いのではない
ともかくこの年になると葬儀とか死がもう身近である、自分自身が後何年で死ぬのかとまでなる、ただ自分自身でも人間はいつ死ぬのかわからない、もちろん病気で弱ればなんとなく予想はつく、でもいつ死ぬかはわからないのである
だから自転車屋の人が私に死ぬ三日前ほどにいつまでやっていられるのかなと言っていたおそらく本人も確かに苦しかったがそんなに早く死ぬとは予想していなかった
癌の不思議は三日後に死ぬとしても仕事ができていたことである
寝た切りで何年もいて死ぬならいいがそんなふうに仕事ができるのかとなる
でも死に方としては良かった、仕事しながら迷惑もかけず死んだからである
人間の命と人間の価値とは何なのかという問題がある、人間の命は大事だよと言うのはわかる、でも人間の命が大事だとしたら尊ぶべきだとしたらただひたすら長く生きる生かさせることが大事だとなる、でも人間の命が大事だというときその命が何に費やされるかが問題になる、命そのものの価値より何のために命が与えられているのかとなる
天職を持ちその天職に価値がありその天職のために命を献げるということがある
仕事でもそうである、その仕事に天職に価値がありそのために命が献げられる
命が大事だというとき命そのものにあるのではなくその命を何に使うのかが問題になる
ただギャンブルとか無駄なものに命を使われればその命が大事だとはならないのである
命が何に使うか価値あるものに使うかで命が価値あるとなる
だから奇妙なのはロシアで犯罪者がウクライナと戦うめに釈放された、犯罪者でも国のために役だてばその命は尊いとなる、そして戦場だったら多くの敵を殺した人が英雄になるそれも不思議だけど犯罪者もそうなればその命は尊いものとなる
つまり命は何のためにあるのか?命そのものが大事というより何のためにあるのかが大事になる、黄熱病の細菌と戦い野口英世は死んだ、とするとその命は病気との戦いのために犠牲にされたということで尊いとなった
早く死んだとしてもそのことで功績があり讃えられることになったのである
●老舗の菓子屋を維持するために犠牲にされた人
だからそもそも人間の命が尊いとしても何のために命があるのかとなる
むしろ天職がありその天職が価値がありそのために命があるとなる
身近なことでも最近死んだ街一軒の自転車屋でも死んだがその人は自転車屋という仕事のために死んだ、それは一軒しかないのだからその仕事は他より価値あるものとなっていたただそれでその人が仕事をしていたということでもない、とにかく病気でありその治療費を払わねばならないとなり仕事をつづけていたともなる
でも死んでしまうと人間はもう金を稼ぐ必要はないのである
それで私が折り畳み自転車が売っていないのでナンバーをつけてくれと言ったが断れられた、それは自分の店で買わないから当然そうなったのである
でももう死ぬとわかっていたらもうけよりその仕事が重要であり無償でもしてやれば良かったとか勝手でも思う、もしかしたらあの世から別にたいして金にならなくてもしてやれば良かったとか反省しているかもしれない
つまり人間とはみんな利益を得るために金を得るために働かざるを得ない、でももともと仕事か天職は金を稼ぐだけのものではない、その仕事自体に価値がありその価値があって命が献げられるとなる、だから理想は金と関係なく仕事がありその天職に励むのがいいとなる、常に人間社会は金、金、金でありそれで歪められているのである
本当の価値を追求できないのである、そして無益なものに膨大な命が消費されることもある、戦争でもそうである、他にも無駄なことが膨大にあり命は費やされるのである
ともかくこのドラマでは老舗の菓子屋が価値がありその経営がおもわしくなっても維持しなければならないと事件が起きた、それは老舗の菓子屋が価値あるものでありそのために犯罪になった、そしてホームレスが身代わりになり犠牲にされた
このドラマの焦点は老舗の菓子屋が価値があるというドラマなのである
そのためにホームレスが犠牲になる、でも一人のホームレスより老舗の菓子屋が価値があるからホームレスの命はそのために使われるべきだともなっていたのである
でもその老舗の菓子屋がそれほど価値があるのか?それを誰が決めるのか、主人が決めたとしても回りでも価値があるとしなければ維持できないのである
そもそも価値が誰が決めるのかというのもわからない、大勢が価値あるとするものが価値がないともみる、でも大勢に価値がないものでも価値があるものはある
芸術品などはそうである、それは食べる物と違って価値がわかりにくいからである
だから金にならないことがあり誰も価値を認めないこともある
それで芸術家の悲劇が起きたのである
●無数の価値があり老舗の菓子屋の価値もその一つ
この世には無数の価値がありそれも発見されていない、身近な所でも発見されていない
学問的なことでもそうである、郷土史とかあっても発見されないものがいくらでもある
平凡な風景でも写真家でも画家でも優れていて個性的であればやはり美を発見する
そして価値あるものとなる、芭蕉がみちのくを旅して作って奥の細道の価値は衰えることがないのである、それだけのものを今も作れない、みちのくの価値を発見したのが芭蕉だったのである、それはどこでもまだ発見されていないものがある
新たな価値として再認識されるものがある、ただそれは食べ物と違ってなかなか見出しにくいとなる
江戸時代からつづく老舗の菓子屋を維持すること
それが価値あることだ
だから守らねばならぬ
たとえホームレスが一人死んでも犠牲にしても
老舗の菓子屋の価値のために死んだとなる
それは有意義なことだ
それだけ老舗の菓子屋に価値がある
こんなふうにもなる、それは勝手な見方にしてもそういうことがこの世にはある
人間が生きる価値とは命そのものにあるのではなくHuman life is precious when we live for something valuable...live forが大事なのである
その価値は多様であり時代ごとにも違っている、そしてまだ発見されていない価値があるここでは老舗の菓子屋の価値であるがこういうことは他でもあるだろう
伝統的なものの価値を守りつづけるということにもなる、そういう古来がつづく伝統的なるものの価値は民族的なものとしての価値でもある、日本文化としての価値がある
だから日本語をなくして英語にすればいいとかなると日本文化としての日本民族の価値は消失するのである、そこにグロ−バル化の問題がある
グロ−バル化とは国でも地域でも文化を破壊することが大きな問題なのである
貿易だけではすまない、物が入ってくるだけならいい、でも物とともに人間も関係してくる問題なのである、それが過剰になったのが現代のグロ−バル社会なのである
●医学の進歩のために犠牲にされた命
また医学の世界だと野口英世が黄熱病と戦い死んだ、犠牲になった、また華岡青洲の妻が麻酔薬の実験台にされた物語もそうである、それはフィクションでもそういうことは医学の世界にありえる、私の母の実家の継母は大学病院に献体した、医学の役に立ってもらいたいという人もいる、人間の命が尊いとしても命そのものが尊いのではなく医学が尊いともなる、医学が進歩する事は人類に貢献することにもなるからである
それで人間の命は戦争だったら国のためにと何千万人も死んだ、それは国を守ることが尊いもの価値あるものだからそうなったともなる
人間の命でも命そのものが尊いとはならない、何かのためになることが尊い、それは仕事に価値があり仕事が尊いともなる、だから価値とは何かというときその価値を決めるのは何かとなれば次の言葉があてはまる
もろもろの価値の根源は人間である、人間がおのれを維持するために、それらの価値を諸事物に付与したのである、人間が先でそれが諸事物に、意義、人間的意義を創り与えたのだ、それ故に彼みずからを「人間」すなわち「評価する者」と呼ぶのである
ニーチェーツアラストラ
神が世界創造した、でもその価値を評価することを与えられたのは人間なのである
神はイデアを創造した、様々なものを森羅万象を創造した、でもその価値を評価をするのは人間なのである、また価値を発見するのは人間である、その価値は無数にあり発見されていないのである
人間に与えられた仕事とはこうして万物に価値を与えることなのである
だから最初の仕事がエデンの園で名前をつけることだったのである
あらゆるものに果物でも名前をつけることだった、そのことによりその事物の価値を明らかにしたともなるからである、最初の学問が植物でも動物でも何でも名前つけて分類することになるからである
つまりそれが神が人間に与えた仕事だったのである、神が創造したとしても人間がその価値を評価するものとして造られたのでありまたそうした神が創造した世界わ賛美するものとして人間が創られたたのである
葬儀屋松子の事件簿
タグ:人間の価値 老舗の菓子屋の価値 何に価値があるのか 人間が価値を与える 万物に価値を与える人間 医学のために犠牲になった人 国のために死んだ人 伝統的価値を守る 価値の多様 文化の価値 グローバル化で破壊された価値 人間に与えられた仕事
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