枯野の海老の浜 津浪で消失した村ー
(蠟梅が咲き歩いて病気になった老人が来た)
みちのくや枯野の果てに船一艘
蠟梅に静かに日さし我が一人百歳の間に仕事するかな
我を頼り来れる老女や蠟梅に日さし静かに迎えけるかな
枯野海老浜
寥々と津波の後の海老の浜
枯野となりてはや日は没す
沖に船一艘北風吹き海暮る
家々消えて植えし松伸びる
ここに在りし日も遠くなり
我も老ゆるもすぐる時早し
残るは何そ墓のみなりしも
海老村は消失した、30軒くらいあったのか、それなりの人口は あった、ここには古墳時代から人が住んでいた、なぜなら最近くでも海に接した崖の所で古墳が発見されたからである
ここは場所が良かったのである。右田となるともともと海になっていた
そこを干拓したのである、だから右田村は江戸時代から始まってとしても新しいとなる郷土史でも新旧を見るのが第一である。
でもここが高台にあるということが今回の津浪で裏目に出たのである。
なぜなら避難場所になっていたからである。高いから津波は来ないと思っていたのである。でも崖があっても海に接していたのだから危険だったのである
そのためにそこで三十人とか死んだという悲劇になったのである
右田村の人は三人とか津浪でこの避難場所に逃げてきたが津波に流されるところを何かにつかまって助かったと言っていた
ここは高いから津浪が来ないとして逃げて来た、しかし百メートルもない50メートルでも海から遠ざかれば助かったのである。なぜこういうことが起きるのかというとこの辺では全く津波の話など聞いたことがないのである
だから相馬藩政記があってもそんな津波の記録がなかったのである
津波の後に生波(いくなみ)で700人溺死と記録を発見したのである
それもたった二行だったのである。これは郷土史の学者でも知らなかったのである
こういうことがあり何か郷土史でも実際はまだ知らないことがありそれを知る必要があったとなる
郷土史は余り重んじられていない、でもこのように生死にかかわることもあったと驚いたのである
いづれにしろ海老村は枯野となり村は消失した、ハウス栽培はしているが津波に残った二軒くらいしか残っていない、後は墓地だけが高台にあり残ったのである
どういうわけか墓地だけは残っていたりする
烏崎村も消失したが裏山に墓だけは残っているのである
沖に一層船が行くのが見える、せいぜい二艘くらいしか見えないのである
脳梗塞になった女性が歩いて自分の家まできた、それには驚いた、車に乗せられて来ていたがそれだけ歩いたということは回復したとなる。
歩くと私自身も歩かない、自転車だから歩くとなると近くでも遠く感じるのである
まず歩いて買い物はできない、品物でも重くなるからである
買物もできないということは苦しい、相当に老けていたが病気でさらに老けた、その人は苦労ばかりの人生でそうなった
でも軽くすんだので助かったとなる、何か老人になると意外と近くが大事になる
でももう昔のように隣近所に店すらない時代だからこういう時困る
介護とかなると近くに住んでいる人がいいのである、歩いても行けるような近くだといいとなる、8キロでも離れていると車で来てもめんどうになるのである
だから本当は隣近所で助け合えばいいのだが今の社会は仕事でも遠くへ行くので近くが疎遠になっている、近くでも距離が近くても精神的には遠くなっているとなる
みちのくは枯野に果てて海となる景色が多い、そして船は一二艘しか通らないのである
湊があっても少ないから瀬戸内海などとは違った風景なのである
瀬戸内海だと船の航行する数が多いし島も多いからこの辺の海とは違っている
ただ潮の流れは早いのであるみちのくは海でも荒寥としているのである
百才母が生きて介護した部屋で仕事している、今は蠟梅の季節である、これは長く咲く梅も咲いていた、でも朝は寒かった、昼間からちょっとあたたかくなった、もう少しであたたかくなる、そうすると楽になる
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