リホームは難易度が高い、簡単に大工でもできない
(老人は安住する場が家になる―成長するにも家の影響は大きい)
キッチンが50年くらいすぎてぼろぼろになっていた。それを取り替えるにしたが簡単にできないものだった。
まず寸法を合わせるのがむずかしい、私の家のキッチンは何か高さを調節するために
直して造った、それで新しいものをとりつけるのに高さを調節するのがむずかしいものだった、ここに合ったものを作ると結構手のこんだことをしなければないので大工さんいろいろ思案していた、それから排水の管が複雑になっていたのである
前もつまって私がブラシを入れて直していた、それはもともと複雑な管の配置になっていたためである、それを見てまた大工さんどうしていいのか苦労していた
だからリホームするには相当な腕がないとできないと見た
窓も高さの調節で直さなければならないとかなり複雑化したのである
でもここでわかることは最初からハウス会社が作る家は楽にも見える
今でもこの辺では大東建築がアパートを建てつづけている、それは最初から規格化されてその部品を組み立てるだけなのである、だから楽にも見える、他の家でもそうして組み立てるだけだから早くできる、50年前の家とかなると私の家でも三カ月くらいかかった。
普請は大事業だったのである。その苦労があって親は常に家を建てたことを自慢していたのである
今のように簡単に家が作れないということでそうなっていたのである。
その家にしても地元の大工さんが作ったのでありハウス会社はその頃家作りしていなかったのである、地方では地元の大工さんが家を作っていた、三カ月もかかるとなるとやはり
家を作ることは大事業であり地元の人とのかかわりも深くなるのである
茅葺屋根の家に住んだ人を知っているがそういう家は村の人総出で作ったとういことで
また価値が違っていた、つまり村の人たちの協力があっ作れたとなっていたからである
ハウス会社になると地元の大工さんはかかわらないからである
そのために地元の人とのつながりも希薄化したとはなる
また家も様々なものから成り立っている、それで震災以後は瓦はいわき市の会社の人が来て直した、ユニットバスは創優建という仙台市の会社が百万で作った
それは常磐高速道路ができたために仕事を求めて来たからである
またトイレの配管が去年の地震で壊れた、それでトイレも古くなり直した
つまり仕事が広域化している、この辺だといわき市とか郡山市とか仙台市でも交通的に便利だから仕事を求めて来るようになったので
建築土木関係の仕事している人は青森に行ったとか郡山市に行くのに三時に起きて行ったとか佐世保に足場を作る人が行ったとかなる
もともとも建築土木関係は遠くに仕事があれば行っていた、飯館村の木戸木(ことぎ)の大工さんも東京に仕事があり働いて稼いだと言っていた
またレンガの風呂を作る人は室蘭まで行ったと聞いた
だから職人は遠くに仕事があれば行くということがあった。
ただそういうことで何かハウス会社で簡単に部品を組み立てて作る家は重みがないとも感じる、昔は家を作ることが大事業だったから家に重みがあった、茅葺の家とかなるとその手間も労力も大きくなったから重みがあったとなる
ただ家というのは建物だけではない、そこに営まれたものがありそれで家も活きてくる
だから代々つづいた家は歴史的にも重みがあるとなる
いづれにしろ家にこだわるのはやはり人間は家で暮らすということが基本にある
遊牧民のようにテントを持って移動する生活とは違いて一定の場所に根付くということがありそれが家を持った時そうなる、マンションとかアパートとかなると借りの住まいともなり重みが感じられないのである
どうしてもこの辺だと市営住宅などに住んでいる人はそうなる、何か借りの宿という感じになる、家の重みがないのである。
近くの人は20代で一軒の家を建て立派な石組の庭を造った、それは人一倍働いて20代で作ったのである。そういう時代があった、働けば働くほど収入を得れる時代だったのである、今20代で家を建てることをできる人はまれだろう、親の遺産でもなければできない、その人は別にローンもなしで二十代で家を作り立派な庭を造ったのである
今は何かそうしたみんなが働けば豊かになれるということがない、だから若い人は苦しいとなる、なんとか日々生活すればいいとかしかない、それでこの辺でなぜ東京辺りから学生なのに強盗に来たのかとなる、若い人達が何か昇り調子の時代を経験できない、30年間賃金が上がらないとか日本は停滞したままなのである
そして今度こうして高度成長時代に建てた家が空家化しているのである、また後継者もいなくなっているのである。
近くに本当に立派な庭がある家でも空家になっていた、その庭の価値は相当にある
でも誰も住んでいないのである、それは原発事故で避難区域になったところでも立派な家があり庭があっても住んでいないからもったいないとなる
でも少子高齢化で全国的にそうなっているのである、日本は縮小してゆくのである
ともかく私の家でも家には金をかけた、部屋でも四っつくらい新しく継ぎたしたのであるでも私自身は狭い部屋で寝起きしていた、でも八畳の広間がありそこに寝ていると何か安らぐ、そこで寝起きしていた親が死んで自分が寝起きするようになった
その空間がなんとも安らぐのである、そこで夜に寝るとき本を読んだりイメージすることがある、イメージが不思議と湧きやすいのである、だからそこで必ず詩作しているのである
だから家というのは知的な仕事をするには相当関係している
50年前まで子供の時は子供部屋などなかった、本も一冊も置いていなかった
漫画本すら貸本屋で借りて読んでいたのである。これでは知的に刺激されることもない
家に蔵書があることが大事である、子供でも子供の興味をひきつける本を並べているだけで相当に効果がある、それも子供部屋があれ自主的勉強することもある
それが全くなかったことがやはり環境的に恵まれていなかったのである
何か店をしていたから子供の時は配達などばかりさせられていたのである
だから自分で知的探求というものをしたことがない、勉強は学校でしかできなかったのである、それも暗記の勉強でありまたソロバンとかを習ったが得意だったが何の役にもたたなかったのである
とにかく家は知的空間であることがわかった、蔵書があり寝る時でも広い部屋で本を読み想像力を働かせて思索する詩作する、それは広い家があると効果的なとを知った
狭い部屋だと何か圧迫されるてそうはなりにくいことを発見した
おそらく知的探求には家というのが相当深く関係している、日本の家は狭すぎる
だからそこで何か余裕ある人を育てにくいのかともみる
そもそも茶室が生まれたのは日本の家は狭いから自ずとそういう文化になったのである
でも実際は広い家の方がいい、八畳間で寝ていると気分がいいとなる
でも大きな家に住んでいても自分の部屋は狭い部屋だったのである
それは親が死んでわかったことなのである
そして老人になると家が大事になる、なぜならその生活が家中心にもなる、余りに遠くにも出なくなるからである、実際これだけ旅しても親の介護とかなり十数年旅していないのからである、ほとんど近辺を回り家にいる生活になったからである
すると家が何か安住する場所にならないと豊かな老後の生活ができないとなる
それで数カ月なのか糖尿病で入院していた人がかえって病状が悪くなったが家に帰って療養したら回復した、それもやはり家の効果である、その人は若い時人一倍働いて造った家にいてこそ何か存在感がある、妻は早く死んでもやはりそこに妻がいるという感じにもなる
そうして家で死にたいという人か多いのは誰も病院のような無機質な空間で死にたくないということである、人間は家とも一体化してゆく、だから人は死んでも家に憑りついているとまでなる、確かに家には死んでも人はいるという感覚になる
でも病院で死んでも何か幽霊となって現れるとしても病院では成仏しないのである
何か物体のように邪魔なものが片づけられるという感覚になる
だから病院で死にたくないという気持ちがわかるのである
天皇の御製歌(おほみうた)一首
あをによし奈良の山なる黒木もち造れる室(やど)は座(ま)せども飽かぬかも
橲原(じさばら)のキコリの人が同級生が切り出した木を柱にしたと親がいつも自慢していた
それはこの歌のように地元の材料で地元の人たちが作ったということで価値があったとなる
ただこういう家に住む人はまれだった
でも農家のかやぶきの家はそれなりに大きいし意外とあたたかいとなっていた。
土間でも土でありあたたかだった。実際に住んだ人も悪いことはいわないのである。
だからそれなりに住まいとしてわるいものではなかったのである。
むしろ子供の時の家は隙間風が入り寒いしトタン屋根で雨漏りして洗面器を並べてしのいでいたのである。戦後まもなくは農家では食料も自給していたからかえって街のせいかつよりゆたかだったのである
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