秋の暮(相馬から三春まで俳句)
柿一つ烏せしめて山の家
晩菊の白と赤映え家数軒
簡単に写真を抽象化できる。元の写真→抽象化になる。元の写真を見ないと
これが何を意味しているかわからないだろう。バソコンの技術によってできた
芸術だからだ。ただ果たしてこれが芸術性があるのかどうか自分にも不思議である。
松一本稲架立ち我がまたここに寄る
(葛尾大尽跡)
金持ちやあかずの池と秋の暮
葛尾に五輪塔二つ秋の暮
(三春城下)
秋の灯や三春の城下職人町
秋の灯や城下を離れ家数軒
三春より相馬を思う秋の暮
山の間に半月あやし三春かな
晩菊に柿なり古りぬ農家かな
峠田も実りや安達太良望むかな
秋霞安達太良望み峠越ゆ
(飯館村)
黄落や山の湯入りぬ老二人
ひさしぶりで葛尾から三春まで自転車で行き一日三春に泊まった。一日泊まったのは約三年ぶりである。この年月が短いかどうかはあるが30年間自由に旅できた自分の場合、考えられないことだった。介護は刑務所に入れられると同じだということを言う人がいた。それも本当である。交代する人がいなかったらそうなる。誰かが食事の用意とか欠かさずしなければならない、それが交代する人がいなかったら一日の自由な日も作れない、こんなこと人生にあるものだと思ってショックだった。そして誰も代わってくれる人がいないのだから自分の場合このまま一日も外で泊まることもできないと真剣に思ってショックだった。一日だけでも外で泊まれれば相当自由な気分を味わえるのだ。人間とはつくづく不思議なものである。何不自由なく外出も旅できることもそれが当たり前となる時、ありがたいと思わない、極当たり前のことになっているからだ。こういうことはよくある。戦争中に生きていた人はただ戦争のない日を願っていた。戦争が当たり前になっている国も今でもあるからだ。人間は当たり前の価値を知るにはその当たり前のことではないことが起きて経験することだ。そうでないと当たり前の価値がわからない、家族が一緒に食事することが当たり前であるからそんなことが特別なこととは誰も思わない、しかし一旦家族の誰かが死ねばそうはならない、永遠に一緒に食事することすらなくなるのだ。そのときはじめて一緒に食事すること−当たり前のことがかけがえのない価値あることだったことを知るのである。
今回のテ−マは「秋の暮」「秋の灯」になっている。三春までは遠かった。今は5時過ぎる暗くなっているから余計そうだった。自動でライトが明るくつく自転車だから良かった。そうでないとかなり夜は危ない、宮田の8万の自転車は軽くスム−ズに走る。走っていて疲れないのである。坂にも強いからいい、この自転車の弱点は荷物に弱い、ちょっとでも重いと後ろが不安定になるのだ。その他はこの自転車乗ってこいで疲れないことが優れているのだ。これだと長距離でも疲れないからいのである。他の重いのと走りがスム−ズとは限らないからだ。「秋の灯」は三春まで途中にも田んぼのなかに灯っていた。そして三春ではあやしい半月の月が山の間に出ていた。三春は城下町であり山が後ろに迫っているからあのような月の出方をする。月の出方はそれぞれ違っているのだ。三春では旅館に泊まらなかった。8時で遅かったのと手頃な旅館で断られた。あとは高級な旅館だった。自転車だと入りづらいことになる。自転車で来たというといぶかしがられるので困る。車で来るのが今では普通だからだ。自転車で来たというだけで変わり者にみられるのだ。今回は夜は冷えたがなんとか冷えをしのぐ場所があったのが幸運だった。それでないと風邪ひいていた。夜も外歩いていたからあやしく光る半月の月を見たのである。旅も「のみしらみ うまのばりする まくらもと」要するに旅はあやしさを経験することであり旅はどこをねぐらにしてもあやしさを経験するし非日常の経験だからやめられないのである。一日泊まっただけでもそうなのだ。そのあと帰りは飯館のきこりの宿で湯に入り帰ってきた。黄落を見てのんびり入れたのでいい、飯館は癒しの村としていい、高原のさわやかな気分を味わえるのもいいのだ。あそこの湯には何度も行きたいのだが車がないと簡単に利用できないのが困る。老人にとって住み安い場所はいやしにもいいことは間違いなのだ。ともかく帰りも6時に出たのに暗くなっていたし三春はやはり遠かった。
次回は短歌で三春まで秋の暮を書く、今日は疲れたので早く寝たい・・・
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