2008年12月27日

前田前畑の地名の意味(南相馬市原町区大原村から)

maida.JPG

大原は街より遠き昔なれ前田前畑支えなるべし

南相馬市の原町区の大原村のことを京都の大原と地名の共通性があると書いた。徒歩とか馬車の時代だったら原町から大原は今なら近いが遠いのである。そこにもすでに江戸時代から大原村としてあった。野馬追いにもでていた。そして国土地理院の地図をパソコンでたどってゆくとやたら前田という地名が多い、大原には北前田と前田がある。あと原町区に三つくらいある。この前田は全国的にあるからパタ-ン化して名付けられたのだ。というよりは農民の生活に必要不可欠なものとして地名化したのである。前田は家の前の田だから一番大事な田であり良質の米のとれる田であった。門田もそうである。門の前の田であり農家にとって大事な田だった。門とつく地名はその地域で重きを成した草分けの農家でありつまり大きな古い門があり古い農家がありそこが地域の中心的存在、庄屋のようになっていた。だからその門を通じて人の出入りも多かった。地域の拠点であり会社のようなものであった。だから・・・屋とつく地名などもその地域の中心をしめていた。門暮などという地名もありある農家の門を中心に村落が形成されていたのだろう。門が暮れてゆくとはその門に出入りする人が多くその門とともに暮れてゆく暮らしがその地域にあったのである。 仙台の名取郡に属していた六郷の郷土史に門暮という地域に300以上の家が集まっていたことでもわかる。その他の地域は10だったり多くても40とか非常に少ないのである
http://www.stks.city.sendai.jp/citizen/WebPages/
wakachu/archives/saguru.pdf

今回三年ぶりで一日泊まる旅行ができた。岩手の三陸から北上山地を回ってきた。岩手や会津の奥にはまだ曲屋がわずかであるが残っている。この曲屋には馬が必ず飼われていた。馬と一緒に生活していた。江戸時代からその後も馬は欠かせないものだった。運搬や農耕に使われていた。馬はどこでも必需品として飼われていたのだ。今や一人一台車をもっているように馬も必需品であり馬は農家で何頭も飼われていたのである。相馬藩ではさらに野馬追いに必要であるから馬の数は多かった。今でも野馬追いのためにだけ馬を飼っている農家が結構あるのもそのためである。その費用も馬鹿にならないが野馬追いのためにだけ馬を飼っているのである。昔の生活は自給自足が基本だった。馬の餌も農家で自給自足していた。味噌でも自家製のものを作っていたりなるべく買わない生活が基本だったのである。曲屋を見ると何か薪を積んで冬支度してこれから冬籠もりに入るという構えが見える。曲屋は自給自足の農家の城のように見えた。街から離れていれば街で買って用を足す現代とは余りにも違う、すべて身近なところで用を足す体制にしていないといけない、雪国では特にそうなる。雪に閉ざされてしまうからだ。だから野菜まで保存しておく必要があった。曲屋にしたのも雪かきを便利にするためだった。だから雪の積る所に曲屋が多いのがうなづける。

そういう昔の生活から前田、門田、他に後田、後畑などもあり家の回りこそ大事なもとなっていた。現代は車で遠くへ遠くへと行き近くは大事なものでなくなっている。その遠くは外国にもなっているのだから余りにも変わりすぎたのである。大原には遠田という字がある。字はひとかたまりの田畑の区画であり字が集まり大字になった。前田があれば前田から離れた遠田もあった。遠田は不便な場所であり新しく開拓して作った場所になるからさらに奥の地域になる。前田から遠田へと田を作りふやしていったのである。地名から生活の範囲が拡大化してゆくさまが見えるのだ。前田も遠田も姓になっているからすでに遠田でも土着して古いからそうなる。新田でもそうであり田を作りその田を基にして暮らしをたててきたからそうなる。
さらに田代とつく地名は尾瀬にもありあんな山中まで田にすべきものとして地名がつけられていた。日本は山国で耕地が狭いから田になるべき所を常に探していた。八沢浦でも入江だったが埋め立てられて田にしたのである。どうにかして田にしようと努力してきたのが日本だったのである。

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舘岩村の前沢の曲屋集落
http://www.okuaizu.net/okuaizu-paper/16.html
posted by 老鶯 at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 相馬郷土史関連
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