2009年02月05日

スロ-タイムアゲイン(多様な時間への回帰-詩) slow time again


スロ-タイムアゲイン
slow time again

 
 

分割され計られ迫られ追い立てられる時間
文明によって時間も奪われた
大地に根付く樹の時間
のろのろ歩む牛の時間
千年黙す石の時間
種蒔く季(とき)を教える桜の時間
太陽が昇り沈む時間
日の影が移る日時計の時間
水がしたたり落ちる水時計の時間
江戸時代の一刻は二時間
一時間が二時間でもいい
二時が三時になってもいい
一時間のずれは自然では見過ごされる
時間はそもそも分割できない
文明によって時間も消耗される
大地のリズムから離れた機械の時間
人間はロボットに機械にされる
ああ 一万年の時間がほしい
そうすればあせる必要がない
百年は寝て暮らせる
百年は国内を放浪して
百年で百カ国回り
百年は読書して
百年は瞑想する
さらにタイムマシンでエジプトに百年
ロ-マ帝国に百年、中世ヨ-ロッパに百年
江戸時代に百年
そのくらいの時間を過ごせば
ようやく確かな知識をものにできる
誰でも知恵者になっいる
人間が生きるの蜉蝣の時間
すでに持ち分の時間は残り少ない
命の灯は消えかかっている
人生は無常゛変転極まりない
ここにありしモノも人も今はない
何一つとて無常ならざるものない
昨日いた人は億光年のかなたへ旅立ち
もはや永遠に帰ってこない
60年一緒にいても短かった
千年ともに大地に立っている樹からしたら
人間の時間はあまりに短い
人間の時間は蜉蝣の時間
明日はもうこの世にいないのかもしれない
さよならだけが人生だ
老人に大切なのは健康と時間
残り少ない時間に何をしよう
今まで当たり前に見ていたものが価値をおびる
そのうち時間は最も価値あるもの
毎日同じ道を歩いても違う
なぜならこの世の時間は限られているから
道端の石に腰かけて梅の匂いをかぐ
私はもう千年生きて仙人でもなったのか?
この世の中のことが現実味帯びない
文明は幻だったのか
いつの世も人生は一時の夢
うららかな春の日私はどこに行くのか?
私は桃源郷に行くのかもしれない
そこで私はこの世とおさらばして深い眠りにつく
文明こそ夢であり桃源郷こそ故郷だった
だから元きた所に帰ってゆく

 

 

「オラ-見て来たんだよ、空中までそびえてる建物を
百万の人でごったがえししているとんでもない大きな街を
どこもかこも走る車が突っ走っていて
夜はこうこうと灯がともり昼間と同じだった
暗闇はなく夜も眠ることのないとてつもない街だ・・・・・」
「そんな街なんかありえよがない、何ねぼけたこと語っているんだ
とんでもない夢見たな、夢だよ、夢だよ・・・ここの家を見てみろ
これがオメエの家だよ、そんなものはどこにもねえ、夢だよ」
「夢だった、そんなはずがねえ、・・・そんな不思議なことがあんのか」
「オメエは狐にでもだまされたんだよ、馬鹿にされたんだよ」
「これがそこで使った金だけどな」
「なんじゃそれは、」
「これで食うものも何でも買うことできるんだよ」
「それは紙切れじゃねえか・・・そんなものここでは通用せんよ
「オマエはやっぱり狐にでもだまされたんだな・・・・」
百ドル紙幣を出したが通用しなかった
ここでは金は無用のもの
あくせく働くことはない
食うには困らない
自分の行った大きな街はやはり夢だったのか
そうかもしれん、一場の夢だったな・・・・・
ここがオレの故郷だったんだ
馥郁と村の古木の梅が香っている
真昼の村は今も変わりがない
なつかしい人の顔がある
あれ、死んで別れたはずの人の顔ににている
あれ、ここにいたのかい
そしたらいつもいたようににこにこ笑っていた
ここはやっぱりオレの家で村だったんだ
ここでオレは死んで行く、安らかに死んでゆくんだ
ここに小さな墓が残るかもしれん
誰が訪ねてくるのかな、オレが語った夢を求めて
物好きな奴が一人くらい来るかもしれんな
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 

posted by 老鶯 at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩全般
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