2009年05月16日

真昼の桐の花(詩)


真昼の桐の花



屋敷林の影が濃く

長い木陰の道

蔵があり前畑が広い

農家が点々とあり

家はひっそりとして

誰も顔を出さない

農夫が黙って畑を耕している

桐の木が一本

真昼に花が咲く

年老いて今は思う

こういう所に安らぎがある

人は隠れているがよし

こうしてただよそ者として

通りすぎるとき平和がある

藪をつつけば蛇がでる

土を掘ればまた虫が出る

人の世は欲の世

人と交われば欲が出る

血縁とて交わればもめる

人と人とに平和なし

この世に災いは尽きることなし

この道を行く人まれに

桐の花はただ天上を向き

わずかにそよ吹く風にゆれ

静謐さ保ち咲いている

この道をさらに行けば

墓所ありて眠る人は幸い

人に世話にならず

人知れず眠るは幸い

そこに永久の安らぎがある

posted by 老鶯 at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩全般
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