春風や峠を越えて吹いてくる
毎日電動自転車で原町に行っている、買物は毎日ある。六号線の坂を一つ越えれば原町である。でもこれは峠とは言えない、坂に過ぎないがやはり日本の地理は坂や峠が境となっている。外国ではライン川のように川が境となっている。日本は坂や峠である。坂や峠を越えると別な世界が見えてくる。今日は東風が春風が吹いた。風が全然冷たくない、あったかい、東風(こち)はまだ寒さを感じる風であるが今日の風は寒さを全然感じなかった。ただあとから北風に変わったのかびゅ-びゅ-風が吹いたが電動自転車は風でも推進力があるからなんとか進んでゆく、これだけの風だと普通の自転車では立ち往生である。このヤマハのパスブレイスは荷物にも強いから役に立つ自転車だった。一旦便利なものを使いはじめるとやめられない、原町は前も近かったがこれでさらに近くなった。となると原町での買物の方が多くなるのも困る。便利になるとどうしても中心が変わってしまうのである。車だったら近くより遠くの便利なところになってしまうのである。そしてますます近くがさびれるから困る。そんなふうにして近くのス-パ-が撤退して買物ができなくなって車のない老人が困っている。車の影響はそれだけ大きいのである。
ともかく今年は春の来るのが早いのかもしれない、寒さの峠を越えたのかもしれない、となると遠くに行きたいが簡単に行けないのが問題だ。4年間ゆっくりと遠くに行ったことがない、それまではどこまでも外国までも時間を気にせず行けた。それが行けないのがショックだった。こういうこともあるのかとショックだった。これまでふりかえって恵まれすぎたことがわかった。勤めていたら自由には旅はできない、期間は限られている。みんなそういう生活をしてきたのである。認知症の介護をしていたときは8時まで帰らねばならなかった。それでも実際はできなくなっていたのだ。誰もみている人がいないし暗くなると不安になり騒いでいたのである。あの状態がつづけば8時までも帰れない、明るい内に帰ってこばならないとしたらどうなっていたのか?そのことが毎日ショックだった。それは余りにも自由だったことか全く自由がないというショックだったのである。それがいつまでつづくのだろうと考えたとき暗澹たるものとなった。こんなことあるのかというショックだった。今もやはり認知症の介護でないにしろ留守番がしっかりできないから自由にでかけられない、自由も与えられないと得られない、自由を求めてニ-トとかフリ-タ-になるという時代だったが実際はそんなにうまくはいかなっかた。様々な不自由に縛られるようになったのがニ-ト、フリ-タ-だったのである。自由は誰かの犠牲の上に成り立っていた。旅するにしても誰かが食堂で食べるにしても食事を用意してくれたからだし交通機関を使うにも誰かが毎日そこで働いているからである。
ゆふ空から柚子の一つをもらふ 山頭火
柚子はただでもらってもいいようなものだった。農家にも一杯なっているし、でももらうとなるとなかなかできない、だからゆう空からもらう、自由な旅するとなるとこれが理想なのである。人に何かしらしてもらうとなると自由な旅にはならない、乞食していたがそれも嫌になるだろう。とするとゆう空からもらうのが一番理想なのだ。そのように妄想したからこの句ができたのである。それは実際に鳥のようになることであり人間にはできない、それでも60才まで自由に旅して死んだのだから往生したとなる。歩いた旅人としては最後の人だったのである。今は歩く旅はできない、あの人は歩いて旅しているなと思っていても途中から便利な鉄道とか利用している。だからここであったホ-ムレスは仙台から東京まで紙袋下げて歩いていたからあれは凄いと思った。そういう経験をまだしていない、だから自分も自由に旅したとしても楽でありたいしたことをしていなかったともなる。それだけの体力がなかったのである。
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