もの言わず石にしみいる寒さかな
[類想俳句]
物言えば唇寒し秋の風 芭蕉
もの言わず石にしみいる寒さかな
俳句の鑑賞として対称的なものとして類似俳句とは違う、類想俳句である。共通性を見出す鑑賞方法がある。芭蕉の句はもの言うと何かとさしさわりがでてくる。だからもの言わない方がいいという日本的なものなのかもしれない、日本人は自分を主張しない、外国人は常に自分の正当性を主張する。異民族と絶えず交わっていたから自分の正当性を主張しないと生きていけない、だから謝ることはない、謝ったら負けになり財産は没収され命までとられる。日本人はかえって何か言うと生意気なやつだとか責められる。何か自分を主張して言えない文化があり何も言わなくてもわかるとか空気を重んじないものは排斥されるとかもの言えない文化がある。文化というとこのように奥深いのである。もの言わずただ寒さが石にしみいる、これももの言わぬことの類似した俳句となる。これも理屈というのではない、一つの類想俳句である。二つを比べて鑑賞するとより深くみることができる。 ものを言っても寒しでありもの言わなくても寒しであり人の世は生きにくいとなる。
川上とこの川下や月の友 芭蕉

これも類想俳句になる。芭蕉の方は隅田川だからかなり船が行き来しているから川上でも川下でも友を思う川になっている。北上川となると確かに平泉があり交通があったとしてもなかなか川上と川下がそれほど人が通い結ばれていたとはならない、それで冬の月になったのである。
とりわきて心も凍みて冴えぞわたる衣川見に来たる今日しも 西行法師
平泉は冬になれば一転してこのような歌がにあう場所だった。皓々と冬の月が冷たく冴えわたり光っているということにもなる。
今日は立春とはほどとおい、しみ入るような寒さだった。
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