連帯する樹影

田舎の連なる中の一本の枯木
夕日に長い影を帯びている
いつまでも長い影を帯びている
悠長な時間に記憶させるかのように
それぞれの木に癖があり
一本一本が違っている
人間にもそれぞれ性格があり癖があるように
枝と枝の影がもの言わずまじりあっている
互いに触れることもせず交じり合う樹の強さ
大地の上に立ってゆるぎないそのひきしまった姿
大地の上につながっているその簡素な姿
人は絶えず協力連帯を叫ぶ
しかしここでは深い沈黙の中に人知れず
互いに大地の上に強く結び合っている
連帯を叫ぶものに連帯はなし
連帯は声なくもありその連帯は持続的で強い
本当の連帯とは個々に独立した連帯
ここに立つ一本一本の樹は独立して立ち
深い沈黙の中に連帯している
静かなるもののなかに真の力が宿る
騒擾の中に真実は宿らない
真実は静寂の中に育つ
その結びつきは声に出さずとも
根は大地につながり強固である
ここでは連帯を叫ぶ必要がない
連帯は敢えて己を主張することではない
己のエゴを殺すことが連帯に通じる
本当に愛しているものは言葉で言う必要がない
それほど連帯は強固なのだから


連帯する樹のイメ-ジ
枯木の影が交じり合う写真がうまくとれてなかった。木は影からその表情を知ることができるの一面である。
これネットから拝借した。煉瓦の建物がありマッチしている。建物はここでは消している。
自分がイメ-ジ受けた樹影はあとでまたとってみてアップしよう。