2010年06月06日

日影に眠る森のニンフ(詩)


日影に眠る森のニンフ



森のニンフが深い木陰に

心地よく休み寝入っている

そを目覚めさすなかれ

夢の中で蝶々が舞っている

清らかな水の音が聞こえる

かすかにトウスミトンボが飛ぶ

深い森の常陰に眠っている

そよそよと涼しい風に寝入っている

千歳の苔むす岩を枕にして

冷たい滝壺には岩魚が隠れ

黒揚羽が一羽ダンスをしている

その山の道を通る人はまれ

ただ涼しい風が通りすぎるだけ

鳥は甘い木の実を食べて

葉陰に一時休んでいる

そのさえづりは森の奥深くひびきあい

静謐の森に甘美な歌は高鳴る

何か不足があるのか

誰も不足は言わない

心地よき眠りがそこにある


posted by 天華 at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩全般
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