
相馬藩の魅力はやはり地理からはじまっている。この地理をわかるのはそこに長年住んでいる人でないとわからないだろう。福島県になると大きすぎてもはや地理的一体感がもてない、会津は全く別の一国であり地理的一体感がもてない、相馬藩の地理的一体感は狭い地域だから持ちやすい、丸森が伊達藩だったけど一時は金山城が相馬藩に属していたから相馬藩だった。ではなぜ丸森町が伊達藩になったかというと角田から平地がつづき丸森まで伸びていたからである。一方相馬藩は山にさえぎられたから丸森を支配できなかったのである。これも地理がわかれば納得する。飯館は一見標高が高く相馬藩に地理的になりにくい面もあったがそれなりに地理的に一体感も持ちうるものでもありえた。塩の道などを通じて経済的一体感も持ち得た。飯館や葛尾村には森林資源があったから相馬藩ではその資源を必要としていたから相身互いだったのである。
相馬藩内はそれなりに地理も複雑である。阿武隈高原を擁して平地が海沿いに広がる。海と山との国となる。国見山から一望できたのは合併した南相馬市(小高、原町、鹿島)だった。まさに国見山でありこの三つの市町村は地理的に合併するにふさわしかったのである。飯館村は合併しなかったがもともと相馬藩内であり山中郷として野馬追いにもでていたから連続したものとしてあったのだ。
相馬藩が外から研究されるとき国替えがなく代々相馬藩は相馬氏に受け継がれてきたことである。だから資料としても研究されやすいことがある。相馬藩政期なども膨大な資料として残されているからである。相馬藩内でもいろいろ俳句短歌で紹介してきたが地理が複雑だし魅力的なことを再認識した。山あり川あり海ありだとなる。ただ海は磯がないから魅力がないことはいえる。久之浜の方にいかないと磯がないから磯遊びなどあそこしかできないのがつまらないとなる。ただこの相馬藩内でも地理的にも歴史的にもそれぞれ色合いが違うのである。特にいち早く近代化したもとの原町市は相馬地方の中心地帯となった。相馬市は城跡のあるところだったが原町市の方が近代化して発展したのである。それが南相馬市となったときわかりにくい、相馬市の南か、相馬市が中心で南相馬市は付属しているのかくらいにしか思われなくなった。他の人は地理も歴史もわからないから名前だけから判断する他ないからだ。どこの地域でも相馬藩のような地理があり歴史がある。それは外から一回くらい行ってもわかりにくいのである。
ただインタ-ネットなどで紹介すればその狭い地域でもいろいろあるんだなと知ることになる。
インタ-ネットの強みは全国の人が見ていることなのだ。日本全国に放送することはやはり今までありえないことであり絶えず地方から情報が発信されるようになったのである。いろいろ相馬郷土史研究でも書いてきたがもっとそれぞれの立場で書く人はいるだろう。書くべきものもあるだろう。こうした狭い範囲でもやはり郷土史の研究はとても一人でできるものではない、様々な角度から探求する必要があるのだ。そのためにはまず地理を知ることなのである。相馬藩を一つの宇宙として一体感を高めるのである。相馬藩そういう点で野馬追いとかあるから一体を持ちやすい面はあるのだ。つまり一つの世界としてちょうど一日の範囲で行けるような地理感覚なのである。会津とか伊達藩になると大きすぎるのだ。とても地理的感覚で一体感を持ち得ない世界である。狭い地域だからこそ自己同一性-アイデインティティが持ちやすいということがある。アイデインティティも新しく再構成する必要があるのだ。常に時代は変化しているし何がアイデインティティなのかも変わってきているのである。現代はグロ-バル化したからこのアイデインティティをどこに見出していいかわからない、経済規模が世界大に拡大してもではアイデインティティはやはりその土地に根ざしてculture(文化)が形成されてきたのである。相馬藩はほとんど隈なく歩いているから自分の中で地理的一体感をもてる。相馬藩内は一つの世界としてアイデインティティを持つのには適当な規模なのである。日本だって実際は広すぎるからだ。
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