「政権交代」を目的にした民主党の崩壊
●操作される世論から判断する疑問
民主党は「政権交代」で一致協力できた。異なった相いれない思想の人でも「政権交代」のために一致協力できた。選挙に買ったのも「政権交代」が目的でありその後の政策は二の次だったのである。「政権交代」ができたときその目的は果たされたのだ。しかしそのあとは異なった考え方、政策の集団の集まりでありそれが今露骨な対立となり現れた。それは予測されていたことである。「政権交代」だけでは「政権交代」という目的が実現すれば今度は何を目的にしてわからない。今度は逆に党内の「政権交代」が目的となる。権力争い、主導権争いが目的となり管総理と小沢一派の争いとなる。これも「政権交代」が目的であり政策を実現させるためのものとは違う。政党とは政策を実現するための手段にすぎないというのと権力を得る「政権交代」を目的とすることがダブっている。この世の中自体、ジキルとハイドになっている。政策を実現する、国民の期待に答えるとかなると善人のように見える。管首相は国民に支持されているということで善人に見える。世論調査でも管首相は圧倒的に国民に支持されている。でもこの新聞の世論調査は信用できない、新聞社の意図で操作されているのだ。国民に支持されているというときその国民は何を根拠に支持するのかわかりにくい、マスコミの報道だったり検察は正しいという思い込みがあったりとそうした大きなメデアの権力の操作により国民は小沢を嫌っている。ダ-ティなイメ-ジが作られる。いつも悪役であり悪代官とされている。国民がどうして判断するのか?それは検察とかマスコミとかの判断であり国民自体の判断とは限らない、検察とマスコミの判断が国民支持に通じているのであり国民自体が自主的に判断できるわけがない、世論調査では国民の支持を受けているというのもだから信用できないのである。
●「政権交代」を目的にした小沢一派とは袂を分かつ運命に
「政権交代」という目的だけ一致協力してきた民主党はいづれ小沢一派と対立する宿命にあり党が割れる運命にあった。そのことは前々から言われてきたが「政権交代」が実現して現実化したのである。つまり「政権交代」だけを目的として政党はそれが実現してしまいばその目的が喪失してばらばらになる。次の目標がなくなる。そこで政党内での「政権交代」権力争いになった。多数派の小沢一派に役職がなく小沢さんはしばらくおとなしくしてくれ、何も言わないでくれとか言われたことに小沢氏だけではなく小沢一派の人々は腸煮えくりたっていた。全く「政権交代」しても政権の埒外に置かれてしまったからだ。数が多くても民主党内で存在意義する喪失しかねない、小沢氏はこうして小沢一派の下からの圧力、突き上げにあった。民主党で一番数が多い派閥なのに役職ももらえないのか?これは自民党時代の派閥的発想であったが人間は政治は特に権力闘争であり権力がなければ何もできない、そのことが自民党を見ればわかる。今まではなんのかんのと言われても政権党であることが最大の強みであり自民党内での政権交代劇が注目されていたのだ。今やその注目は民主党に移った。野党と化した自民党の影が薄い、もう自民党は政権をとれる党とはなりえない、民主党内で「政権交代」に移った。小沢氏が割れても第一民主党と第二民主党ととなり自民党はどちらかに吸収される運命にある。
●「政権交代」のあとの目的が民主党にはなかった
ともかく明治維新でも薩摩長州が連合できたのも「倒幕」で一致したからであり「政権交代」を目的として一致したからである。でもその後薩摩の西郷隆盛が功績があってもその後の政治の目的が武士階級をなくす四民平等の社会を作るという政策に変わったとき西南戦争になり明治の政権から離脱した。「政権交代」だけを政治の目的とすることはできない、薩摩と長州が「倒幕」で一致協力したように打倒自民党で小沢氏とりこんで民主党が「政権交代」を実現しても「政権交代」自体が政治の目標とはなりえなかったのだ。政策でも白と黒と違っているものが思想でも相いれないものか一致協力できない、それが民主党の争いで露になったのである。
やはり管総理一派と小沢一派は水と油のような面がありそれが自ずと乖離する運命にあったのである。最初から小沢氏が民主党に入ったときからそれは予測されていたのである。 つまり
「政権交代」を大義とすることはできない、いづれそれだけでは破綻する。とにかく小沢氏は政党は政策を自分たちのしたいことを実行する手段であると言うならそれを実行すべきときが来たのだろう。民主党でなくても自分のしたいこと政策を実行できるなら民主党にこだわることはない、でも政策を実現するには「政権交代」が必要である。権力闘争に勝たなければ選挙に勝たなければそれは実現できない、そこにジレンマがある。政治は権力をとることが目的となりやすい、この世の中、何でもその目的のために働くことがない、報道でも出版でも視聴率が第一とされ売れることが第一とされれば過剰な宣伝やらで国民の支持を獲得せねばならない、もはや中味の問題ではない、そういうふうに仕向けねばならない、本末転倒の世界になる。そういう矛盾はいたるところにある。崇高な目的をかがけでも実現できない、でも「政権交代」が目的になるはずがない、目的とすべきは別な所にあった。それが今民主党に問われているし現実化したのである。
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