なのはなとロバ
路上でおみやげを売る老人
手に握る重いドラクマ貨幣
水平線から船
島を縁どる美しい野の花々
倒れた神殿の石柱
彩られた神話の数々
オディセィの雄大な遠征と帰還
黒海に通じる狭い海峡
未知なる世界はその通路に
地中海の風が島々にそよぎ
一つ一つの石
それは人工の人の営為の跡
人の徴しの跡はそこかしこ消えじ
人の手に成らざるものなし
ただ過去があり過去を偲ぶ
迷宮のクレタの宮殿は忘れられ
栄光の日はもどらじ
ギリシャのアフリカの植民都市
キュレネは砂に久しく埋もれ忘れられる
薬草のシルフィウムに栄えし都市
そのシルフィウムも絶滅して
コインにのみかつての栄えを語る
石の船のモニュメント残し
残される幾多の物語
語り尽くせぬ物語
人類の夜明けはここにはじまり
その知恵と技芸がここに集中して
哲学と科学の発祥の地
アテネの神殿はその象徴
常に壮健な肉体を競いし者たち
オリンポスはその聖地となりぬ
勝者にはオリ-ブの冠
その栄光は語り継がれぬ
急斜面の荒い岩石を清水が流れ落ちて
オリンポスのゼウスの聖なる白雪の山々
ドルフィの神殿は古りて
荘厳にかの高見に鎮まり暮れぬ
そこに厳かに神託の告げられし所
ギリシャの聖なるセンタ-の場
しかし今何かあれ
なのはなとロバの国
遠い過去のみが語る国
プロボネス半島の奥地かのスバルタの国
古い城壁の反り残雪の未だに寒々しく残り
今なお羊飼いの岩山に羊を追い
自然もなべて人の手になりて古りぬ
持ち帰りし一つのコイン
それはただ遠い昔の栄を語るのみ
ドルフィの神殿
オリンポス山
ドラクマの歴史
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%9E
キュレネ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%8D
ギリシア人とシルフィウム
http://blog.goo.ne.jp/mosuke-log/e/ee93287add96b1a058d9897c18439eaa
シルフィウム
http://blogs.yahoo.co.jp/tyamada69/1244286.html