冬の草(大正生まれの人に親近感をもつわけ)
我が母の病に臥して冬の草
行き来する倉庫の道や冬の草
冬薔薇夕闇に浮かび消えにけり
大正生まれの女性はたいがい苦労している。貧乏な時代に生まれたし戦争も経験しているから苦労している。そしてたいがい機織り工場で働いた。女工哀史の時代でもあった。絹織物が唯一の輸出産業であり富国強兵のために過剰に働かされたのである。糸とりとして10年働いたというのは今や一つの日本の歴史を背負って働いたのである。そういうところは評価される。要するに一生が働きづめの一生だった。それがまたマイナス面として働くことしか知らない無味乾燥な人間を作ってしまった。
花一つにも興味を示さないというの人間として生きたとは言えない。いくら貧しくても花一つにも興味を示さない、花がきれいだなと思わない人生は荒寥としている。別な見方をすれば働く奴隷にされたということである。そういう不幸な一生であった。遊ぶことを知らない人生もまた異常だった。
でも一般的にそういう時代に生まれ育ったのである。日本は資源ないから戦前でも輸出が重視されていたのだ。なぜ戦争になったかというと貧しさが原因でもあった。満州に進出したのも貧しい土地もない農民が多かったからである。今は工業製品を輸出していたが戦前は絹織物であり人間そのものを輸出する・かなく満州に進出したのが大戦のきっかけとなったのだ。大正時代は短いけど85から98才とかまだ高齢化で生き延びている人が多い。介護している人も多いのである。だから意外と大正時代は身近なのである。時代が身近に感じるのはやはり祖父母などが生きている時代までだろう。祖父母が生きていれば明治時代も身近なもの感じただろう。今や明治は遠くになりにけりであり明治のことはわかりにくくなっているだろう。大正時代が終わって昭和になったが昭和時代は長い。戦前と戦後ではまるで違っているから時代としての統一性がない。大正時代は短いがかえって大正生まれというとひとくくりになり統一性があり身近なのである。
大正生まれの人は食べ物に文句を言わない、こんなもの食いたくないとかあれが食いたいこれが食いたいともあまり言わない、それが一つの特徴である。あれだけ貧しい時代を生きたのだからそうなる。でも団塊の世代が80くらいになったら介護になったら食べ物にはうるさいだろう。グルメも経験しているからだ。団塊の世代はまた民主主義の世代でありそれも権利ばかり主張するから扱いにくい。そういう点で老人として今も嫌われているがこれからも嫌われる。人間として75才以上あたりも日本人としての気骨をもった人が多く好感がもたれる。良き日本人的なものが残された最後の世代である。70以下になるとそうした日本人的良さをもった人はいなくなる。おそらく戦後生まれは類型として人間が最悪なのかもしれない、日本人的モラルもないしただ自分の欲望を満たすだけの権利を主張するだけである。誤った民主主義の結果として最悪なのである。それでもすべてが悪いとはいえない、遊び上手だからこれから老人文化を作るようになるだろうといわれるのはそのためである。
つくづく自分は天才でないから今頃になっていろいろなことが理解できるようになった。本も山ほど買って集めて読んでもいたが理解していなかった。今読んでみると理解できる。深く読めるのだ。だから今まで買った本を読んで今度は自分なりの見識で文章を書くことができる。今になって見識が深まったのである。本を読むということはただ読んだだけでは知識とはならない、自分なりに編集して再構成するとき読んだとなるのだ。だから本を読むことは相当な見識が必要なのであり若いときは本を買うことはできても読むことはできないのだ。もちろん人によって違うが自分の場合はそうだった。それだけこの世のことを知るということ自体、時間がかかりすぎるのだ。いくら能力がなくても60過ぎたら必ずその人なりの経験で見識をもつことができる。その本が何を言おうとしているのかその趣旨がすぐわかる。するとそれに対して自分なりの見解も延べることができるのだ。だから今買いだめた本を読み返してこの本はこういうことを言っていたのかとたいがい理解できる。だからかえって読書の楽しみが増したとはいえる。若いときは本を読むというより読まれることが多いのである。本にのみこまれてしまうのである。今にあれば本を読んで新たな自分なりの創造的な文が書けるのでてある。
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