死者の名前が刻まれていない墓の怪
(墓より名前の方が大事だった)
お盆近くになったけど墓の意義とかお盆の意義とかで検索している人がいる。奇妙なのは近くで世話になった人の家の墓参りに行ったけどその墓には墓銘碑があるのだけどそこにお参りする人の名前がまだ刻まれていない、死んで二年になるけど名前が刻まれていない、息子がいるのだけどこの息子がもともと不肖の息子でありいろいろ失敗ばかりしていた人である。離婚してもいるしいろいろな不幸を作り出した人であった。今はひどい貧乏になっている。だから金がかかるから墓銘碑に母親の名前を刻んでいないのだ。名前を刻むだけで何万円とかかるその金がない貧乏なのである。しかし墓参りする方になると名前がないということは奇妙な感覚になる。この人には世話になった、いいい人だったと思って墓参りするのだけど名前がなかったらその人がいるのかどうかわからない、墓は確かにある、一家の墓としてある。
でも死んだ人の名前が刻まれていない!するとその人が墓にいるのと疑問になる。つまり墓には確かに骨が埋まっていても名前がなかったらその人がいるかもどうかもわからない、それで思ったのは人間最後に残るのは墓ではない、骨でも灰でもない、名前である。名前が残らなければその人が存在したかどうかわからない、しりえようがない、自分の墓にも祖父にあたる人の名前が刻まれている。これもあったこともないのだから名前しか知らないのである。でも一応存在した人として残っている。
墓の意義は何かなどと検索している人がいる。墓の意義は死んでもその人の代わりとなるものである。現実に自分の実家の墓は原町に残っていても実家はない、墓だけが残っているのだ。墓は家がなくなっても消えないのである。墓は家より寿命が長いとなる。その人の存在した証として残っている。でもその墓にしても名前が刻まれていなかったらその人の存在すら不明になる。戒名より実際は名前の方が大事である。戒名は誰なのか良くわからなくなる場合がある。名前は一番その人を記憶したものなのである。例え一行でも名前が刻まれていることはそこに確かにその人が生きていたという証なのである。ただその人がどういう人かわからない場合がある。
前に27歳で死んだ人は肺病で死んだと教えられた。その人のことはそれしかわからなくてもその当時、肺病で死んだ若者が多かったからさぞかし無念だったろうなとか思う。何も聞いていないと全くその人についてしりえようがないのだ。自分の祖父は名前だけしかわからない、人間は骨も灰も結局消えて残らないのだ。わずかに由緒ある武家の家系でも名前しかしりえない人がいる。何百年前になれば名前しか残らない、墓もわからない、すると名前だけが頼りになるのだ。古代の天皇でも墓がなく仰々しい名前だけが残っていてそこからその人を探ったりしている。名前しか探る手がかりがないのである。人間最後に残るのは骨でも灰でも墓でもない、名前である。名前が最も大事なのものである。近くに農民の墓が残っている。姓もあり名前もあるがその人のことについては何もわからない、ただ名前だけが残っている。その名前からしかその人を探る方法がないのだ。
「御名をあがめられますように・・・」というとき正に名前しか最後は残らないからそうなっていた。キリストであれシャカであれ骨も灰もどこにあるかわかりえようがないし残らない、ただ名前だけは残っているのだ。名を残せというときまさに名前が残ればその人が記憶されているからだ。一般的には名前すらほとんど残らないからその人が存在していたのかどうかもわからなくなる。名前の一字でも残っていればいい方であのが人間だった。それほどはかないのが人間だった。あなたの残すものはわずかに名前でありその名前すら残らないのが普通なのである。
人間のはかなさもこれからも知った。あなたがどこで記憶されるのか?名前だけである。その名前すら忘れられる存在が人間だったのである。名前が残るということは動物と違っている人間の証でもあった。名前でも残れば歴史が人間にあるということである。動物は名前も残らないから歴史に残らない、ペットブ-ムで名前つけた墓があっても一代で忘れられるだろう。動物には歴史がないのである。人間は名前が残り歴史が記されているのだ。
墓というときだから別に墓がなくてもいい、墓の代わりになるものを名前刻んで位牌のように家にでも飾っておけばいいのだ。そうすれば骨も灰もなくても名前だけは記憶されるし存在した証になる。そうした名前の方が大事だったのである。ここに意外と気づいていない人が多い。たまたま名前の刻まれていない墓にお参りしてこれは変だなと思ってわかったのである。
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