晩菊やしとしとしと雨にぬる
盆栽の冬の雨ぬれ仮設かな
仮設に木の葉の散るや雨のふる
浪江の人空家に住むや冬の雨
なんか仮設住宅というのもそこに住んでいる人がどういうふうに思っているのも不思議である。まさかこんなふうにして町からみんな離れて仮設に住むということが当人もそうだけどそれを見ている人も不思議になってしまう。津波から原発事故は未だにそうした異様なありえない世界を作り出したのである。ただ一年半以上過ぎて仮設は仮設なりになじんできたというか落ち着いてきたということはある。仮設は長屋ににていた。だから一人暮らしの人が仮設で死にたいとまで思ったのは昔の長屋に帰り共同性が自ずと生まれたからである。つまり一人暮らしの人にとって長屋のようなものがかえって気づかう人がいるからいいのである。それで相馬市に長屋風住宅ができた。一人暮らしにはいいものだった。今の時代は一人暮らしは本当に住みにくい、全く放置され孤独死になりやすいのである。
盆栽は長屋とかからも生まれたのかもしれない、狭い所だから置くに困る。でも盆栽だったら置けたとなる。つまり日本人の生活は広い空間を利用できない、だから茶室が作られたのである。狭いところで楽しむ文化が生まれたのである。田んぼだってどんな狭い所でも作っている。狭いところを利用するほか狭い国土では生きられなかったのである。
相馬市の看護学校に男子生徒が通っている。その人は浪江に住んでいたのである。浪江は5年帰れないとしたらさらにインフラを復旧するまでに二年とかかかると7年もかかったらもう若い人など帰られないかもしれない、浪江の人はかなり深刻である。7年ものブランクは大きすぎる。南相馬市と相馬市は維持できる。小高は人口がかなりへるかもしれない、そうなるとかえって集約して住んだ方がいいというのもわかる。川内村では郡山に住んだ老人も帰りたくないという、便利だから帰りたくないという、それもわかる。ス-パ-すらないとしたら今の時代不便である。病院も困る。老人が多いからどうしても病院は近くでないと困るのだ。そうなると郡山といったら福島県では一番便利な所だろう。東京にだって新幹線で一時間ちょっとだろう。通っていた人もいた。郡山に県庁を移した方がいいと運動するのもわかる。地の利がいいのである。会津にも近いから余計にそうなる。相馬は仙台に近いから仙台と結びつくのがいいとなるのと地の利でなってしまう。東京への道が分断されたから余計にそうなったのである。
晩菊というと老人をイメ-ジする、日本語で面白いのは擬態語なのだろう。
春の海ひねもすのたりのたりかな 蕪村
晩菊やしとしとしとと雨にぬる
こういう表現が何か面白い、時間的経過が擬態語にある。しとしとしとなどというのも極めて日本の雨の多い風土から生まれた言葉なのである。外国語では表現できないのである。そういう言葉が言葉には必ずある。南のどこの島かしらないけどやたら長い言葉があるというときこれとにているのかもしれない、そういう原住民の言葉が残らないと文化も消失するのである。一様に英語化したら文化そのものが消失する。日本語の場合、漢字があったから日本語も残ったのである。漢字の表現は実際かなり奥深く多様な表現ができた。欧米の文化が入ってきたとき漢字で日本は表現した。その言葉を今度は逆輸入して中国人が使っているのである。
中国の恩恵を日本は受けているが逆に欧米化では今度は日本の恩恵を受けているのだ。中国には日本でも技術的にかなり援助して中国が経済大国になったということもある。でも中国ではそういうふうにみない、日本は中国文明の亜流であり中華に属するものだという考えになるのが大国である。ともかくグロ-バル化の最大の問題は文化が破壊されることであった。小農になるのも日本が狭いからそうなった。大陸とは広さが違っている。日本は狭い空間で生きる知恵をだしてきた。「小さきものは、みなうつくし」これが日本人の文化だったのである。日本では大きな建物は国家創建の時の大仏とかくらいであとはない、大きなものを建てることが向いていない風土だったのである。だからやたら細部にこだわるのが日本の文化だったのである。
岩桐草は前にも桐の詩を書いたので興味をもった。これを庭に置いたら映えた。これは高山植物であり霧にぬれて山頂の石の上に咲くのがにあっていた。だから石が雨にぬれてにあように咲いたのである。
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