冬薔薇蕾五六輪開かざり
黄葉や電車のとまる悠里館
黄葉や郷土を語る品々や
朝散歩冬菜畑や野の広し
前畑に朝映えにける冬の菊
晩菊やみちのくの線路つづくかな
仙台や欅の黄葉夜に映ゆ
雲に月にじみ光りて時雨かな
淋しさや母は寝て待つ時雨かな
冠雪の朝の蔵王を我が望みその厳しさや胸に迫りぬ
今日は半年ぶりくらいで仙台から岩切から多賀城に行った。手術して自転車に乗るな、乗り物に乗るなと言われたときはショックだった。一瞬自転車にも乗れない、乗り物にも乗れないとしたら自分がしてきたことが何もできなくなると思った。手足がもがれるように一瞬思った。確かに脳卒中とかで倒れたらショックである。動けなくなるし脳もやられるからその衝撃は恐ろしい。特に介護する人もないとしたら悲惨極まりなくなる。介護する人がいない身寄りがないということはこういうとき最も悲惨な状態になる。なぜなら介護する人がいたとしてもその病気になったら自分自身も介護する人もその負担が大きすぎるからだ。元気で生きて10日くらい寝込んで死ぬのが一番いいというのは本当だろう。そういうふうに死んだ人を近くで二人くらい知っている。その人は10日前まで仕事していたのだがぽっくりとあとは逝ったのだから理想的死に方だったのである。
二両の電車の不思議は電車があわれと感じるとき機械でも人間化しているのだ。八両のときは全くそういうことを感じなかった。現代はそれだけ機械に圧倒されて機械と人間は全く分離したものとなっていたのである。二両の電車は人間的だし自然の風景にとけこむのである。八両でもたいして変わりないように見えてもそうではなかった。だからこの経験も不思議なものだったのである。
亘理の悠里館というのには入ったことがない、なかなか亘理ではみている暇がない、今日は夜に快速で帰れてから早かった。介護していると留守番がいないから困るのだ。なんとか仙台近辺は日帰りで行ける。岩切は仙台駅-東仙台-岩切になるから近かった。そして岩切は中世からの歴史がある場所だったのである。ここを見逃していたのだ。意外と近くを人間は見逃している。灯台下暮らしなのが人間だった。そこから多賀城にも行ってみて新しい発見があった。あそこの道は街道であり歩いてみるとみちのくの旅が芭蕉の旅でも実感できる。旅は歩かないと旅にならないのである。だから冬菜畑の道を散歩している人がいたがその歩いていることが絵になっているのだ。車だったらもう絵にはならない、車は二両の電車より何か人間的なものを感じないのである。車があわれだなどと感じたことがない、車に乗っている人はまた別に感じているのかもしれないが自分は車には何か情を感じない、もともと電車が好きで旅ばかりしていたから電車には思い入れがある。それで岩切駅の前の喫茶店から新幹線と普通車と貨物列車が行くのをながめていてああ、ここは平和だなとつくづく感じた。
常磐線は津波で寸断されて何かまだ津波や原発事故は宮城県でも影響している。宮城県は津波の被害は一番大きかったのである。だから多賀城の博物館の前にも仮設住宅が建っていたのである。長町にも建っていたがあんなところにも建っていた。結構あの辺は被害が大きかった。多賀城の近くに末の松山があるから貞観の津波は奈良や京都まで知られたのである。末の松山はそれで歌枕になった。そのことが再現したことに驚いたのである。
蔵王はすでに雪だった。ひさしぶりに見てその姿が胸に迫った。短くても結構な旅だった。仙台から岩切から多賀城は歴史の道だったのである。そのことは次に書く・・・
冬の岩切駅
新幹線普通列車も行き
長々と貨物列車もごとごとと
交わり通り過ぎ行く
岩切の駅前の喫茶店
冬の日さしてしばし休みぬ
駅前に菊の映えて
ここは平和なるかな
その営みの変わらずに・・・
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なんか自分は電車の旅が長いから相当に電車に愛着をもっている。電車を見ているだけで心がなごむし気持ちいいのである。車を見ていてそういう気分になったことはないのである。新幹線だってやはり乗ってもみていても気持ちいいものがあるのだ。だからやはり鉄道の写真をとるということが鉄道ファンの第一歩なのかもしれない、デジカメだと写真をとりやすい、ただ動いているものはとりにくいからとっていない、そこまでのめりこんではいなかった。電車を待って写真とるようなことはしていなかった。電車の旅でもバスでも自転車でも車でも歩きでもそれぞれ違った旅になる。ただ車では旅したことはないからわからない、車だと何か自然を感じないから好きになれない、雨風を感じて自然と一体化する、今日も帰りに夜に雲ににじみ月が光って満月だった。そしてぱらぱらは雨がふった。これは時雨だったのか?そうかもしれない、これも車だったら時雨も感じないのである。だから車だと風流を感じないから旅にもならないのである。
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