2013年06月18日

蟻が甘いもののためにいなくなったわけ(童話)


蟻が甘いもののためにいなくなったわけ

夏になりムンムンとして湿気も出てきた。この家の主人は今90才になる母親を介護している。それで家事も全部一人でやっているから毎日が仕事に追われ忙しい。料理もしなければならないし掃除もしなければならない、食器も洗うのも手間である。リンゴの皮をむいたり、飲み物がこぼれたり、お菓子を食べたものが散らかったりとそこらじゅう甘いものがあった。
そこに蟻がいつも湧くようにどこからか集まってくる。
「ああ、きょうも蟻がたかっている、この蟻はどこからくるんだ、殺しても殺してもやってくる、
しつこいやつらだ」
そこで虫殺しスプレ-でいつものようにシュッシュッと吹きかけて殺すのが仕事となっている。
そもそも小さな狭い庭でありそんなに蟻がいるとは思えない家だった。
その蟻たちは蟻の巣で仲間と話していた。
「甘いもの向こうにいくらでもあるんだよ、いくらなめてもなめきれないよ、この狭い庭じゃ何もないよ、本当に限られたものしかないよ、延々と探してもたまに虫の死骸が見つかるとかな・・
わずかなもしか見つからないんだよ、遠くはなるがあそこに行けば甘いものがふんだんにあるんだよいくらでも甘いものにありつけるんだよ」
「そんなに甘いものがあるのか」
「あるというもんじゃないよ、もうそこら中あまいものだらけだよ」
」へえ、そんなにあるのか、俺も行ってみよう」
「俺もだ」
こうして蟻は甘いものにあるところに毎日のように出かけた。蟻にとってリンゴの皮一枚でもあめきれないほどの蜜の宝庫だった。他にもこぼれた飲み物の甘いものがいくらでもあった。菓子の屑などもあり甘いものはあまりにも過剰にあった。
そこの家の主人は今日もその蟻に困っていた。
「今日も蟻の大群がきたな、どうしてこんなに湧いてくるんだ、殺しても殺してもきりがないやつらだ」
こう言って虫殺しスプレ-で日課のように殺していた。
しかしそんなことをつづけているうちに蟻の巣で仲間たちが話ししていた。
「なんだか変なんだよな、仲間が巣に帰ってこないんだよ、毎日甘いものが一杯あるところに行くとみんなぞろそぞろ行くんだけと帰ってこないんだよな、このままじゃ巣がからっぼになってしまうよ」
「本当だよな、こののままじゃ巣はなくなってしまうよ」
「なんとか甘いものが一杯あるところに行くなととめるべきだよ」
「とはいっても甘いものにはひかれるからな、とめられないんだよな」
「そんなこといったってとめなきゃ巣はなくなってしまうよ」
こんなことを小さな狭い庭の中の巣で話ししていた。
「おい、今日は甘いものが一杯あるところには行くな、帰ってこれなくなるぞ」
「何を怖がっているんだよ、甘いものが欲しいんだよ、俺も行ってみるぜ」
「帰ってこれなくなるぞ、殺されているかもしれんぞ」
こう言っても無駄だった。甘いものの誘惑はおさえることができなかった。
こうしてそこの狭い庭の蟻の巣には蟻がいなくなり巣はからになり消滅したのである。
今も蟻は玄関の前の所に長い蟻の道を作っていて行進していた。
ただそこは甘いものがあるところから台所からかなり遠いのでそこまでは行かない、今は蟻がいたるところに活動している時期である。
ここの主人がその玄関に花を買って飾った。蟻はその前に蟻の道を今日も行進している。


この童話の自分の説明した評論です


過度な富の呪い
(文明も過度な富を求めた結果呪いがあった-原発事故もそうだった)
http://musubu.sblo.jp/article/69616306.html
posted by 老鶯 at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 童話
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