夏富士二十句
(見る場所によって山はまるで違って見える)
青富士_クリック拡大
北斎-赤富士
富士登山崩れては湧く雲の峰
夕日さし富士の斜面や雲の峰
雲の峰富士の斜面や人の列
夏富士の大斜面かな雲の湧く
晴れ渡り夏富士高し天までも
夏富士の乱れざるかな仰ぎけり
麓より天を衝く夏の富士仰ぐ
夏富士や裾野の広く優美かな
ひまわりに映えるは富士の峰にあれ
影富士の夏の日ざしに伸びにけり
夕富士の染まりて赤き夏の月
七色に夕焼け変化富士の峰
夏富士や北斎の筆特に冴ゆ
涼しさや河口湖畔に浮かぶ富士
下山して姫百合咲きぬ富士麓
下山して河口湖畔の青田かな
夏の夕優美に暮れぬ富士の峰
登り来て富士の山頂夏の星
富士山には一回だけ上ったけどなかなか思い出せなくなった。その時雲の峰を
富士山頂で仰いでいた。それも30年前とかなると思い出せなくなる。
ここに出した俳句は写生ではない、他の人の写真を参考にしたからいいとはならない。
そもそも富士山は見る場所によってみんな違ってくる。山はたいがいそうである。見る場所によって見え方がまるで違ったものとなるのだ。富士山はいろんなところから見えるから特にそうである。
自分は一回感動して見たのは河口湖畔から見た夏の富士だった。青富士だった。やはり山は大きく見えるとき映える。だから見る場所に左右される。ヒマラヤでも3000メ-トル級まで上ると天まで達するように高く見える。山は登る山と見る山は違っている。見る山は場所に左右される。
その場所にゆくのが大変になる。写真をとるために半年くらいテント張って暮らしていた人が紹介されていた。あれくらいしないと富士山を見ることにはならないだろう。山の姿は刻々と変わってゆくからだ。富士山は特にそうである。
富士は夏なら青富士とか赤富士とかいろいろある。しかしそれを見るのは離れていれば結構手間になる。富士山はすでに日本人の心だとすると日本人の心として見ることにもなる。ただやはり山は何度も見ていないと感動が薄れる。その迫真力はやはりまじかで見ていないとやがて記憶は薄れてゆく。
確かに影富士も見たし下山したとき林がでてきてその中に姫百合が咲いていたのを記憶している。
やっと麓に下りてきたなと安心したとき姫百合が咲いていたのである。河口湖畔から見る夏富士は青々として雄大だった。もう一回見てみたいけどなかなかできない、まず山は天候に左右されやすい、夏は見えにくい、ヒマラヤではがっかりした。春だったから雲に隠れて見えなかったのである。
外国まで行って山かみえなかったら何もならない、10月ころは山が見えやすいからその季節に行くのがいい。
山に魅せられるて60代の女性が二人ヒマラヤで死んだ。あれほど過酷な登山をその年でできたことに感心する。ただ山はそれだけ魅力があるのだ。クロ-ズアップ現代で放送していたのは50代半ばから登山をはじめたというから驚きである。女性でもやはり家事だけではない生きがいも求める時代なのである。家事にしても子育てにしても40くらいで終わりやすいけどそれからの人生が女性でも長くなるからなんらか生きがいを見つけることが必要になってきた時代である。つまり人生が長いということはまた様々な可能性も開けるという見本だった。これだけのことをやれる女性はやはり能力的にも人格的にも優れている、しっかりしている、一人は管理職でありもう一人は医者だったのである。社会的にも有能だからそれだけのことができたのである。みんながとてもできるとは思えないのだ。
ともかく世間の日常の小さな悩みが山に登ると吹っ飛んでしまうのがいいというのはわかる。あまりにも小さなことに汲々としているのが人間の日常だからである。
写真から加工していたら富士の切り絵のようなものができた。写真家ら結構加工できる。でもその元の写真のことはイメ-ジもできなくなる。だからそれが著作権違反とはならないだろう。一部なるものがあるかもしれない、でも明かに加工しても創作という面が大きいのである。これは構図的には写真によっていた。でもその後の加工は創作なのである。
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